経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

日本語教師のプロを育て外国人と協働しやすい社会を創造していく  石川陽子 エルロン

昨年、「日本語教育機関認定法」が施行され、日本語教育の質の向上および、日本語を話せる外国人を増やしていくことが国から積極的に求められるようになった。エルロンの石川陽子代表は、法改正前から職種に合わせた実践的な日本語研修を行っている。(雑誌『経済界』2025年5月号「注目企業」特集より)

 エルロン 代表取締役 いしかわ ようこ 石川陽子
エルロン 代表取締役 いしかわ ようこ 石川陽子

人材派遣会社の人事部で働いていた石川代表は、高学歴で優秀な外国人でも日本の企業に採用されづらい状況にもどかしさを感じていた。

「能力が十分にあっても、面接態度やアピールが日本の文化とは合わず、不採用となる現実がありました」

そこで石川代表は日本語教師に転職し、外国人向けのビジネス講座を担当することになった。しかし、外国人を採用する企業側がコミュニケーションに不安を抱え、受け入れ体制が整っていないことも大きな課題だと気付いた。

「外国人には実務に必要な日本語力を最速で身に付けてもらい、企業には外国人とコミュニケーションを取りやすい『やさしい日本語』を導入してもらう、そんなサービスを提供する会社を創ることにしました」

外国人が職場で活躍できるようになるため、実践的な日本語研修が提供できる日本語教師の人材育成にも力を入れていることが同社の特徴でもある。

「約2千人の日本語教師とのネットワークを持ち、IT、営業、介護、接客など、ビジネスの現場に精通し、なおかつ質の高い日本語研修が提供できる日本語教師のプロ集団をつくり、さまざまな企業に派遣しています」

プロの日本語教師集団育成のために顧客のニーズに合わせて結果を出すための講座や、オンラインサロンでは、技術力向上のためのコンテンツも提供している。

「4月からは外国人を雇用されている法人向けに、外国人を雇用・教育する上での課題や解決策を共有し、よりフレンドリーで多文化共生の環境を促進するためのオンラインラボを開始します。多国籍でチームをつくるためのヒントや成功事例などを、有識者や経営者、そして日本で働く外国人から共有していただき、より良い組織づくりを研究する機会として提供していきます」

人口減に直面する日本では多国籍の人々が協働する社会になっていく。さまざまな文化を持つ社員が一つの組織で働き、互いの価値観や意見をシェアすることで、相乗効果を生み、組織全体として成長につながる。そう考え、組織内の個人の能力開発と同時に組織の課題を解決に導き、成果創出に力を注いでいる。 

会社概要
設立 2019年3月
本社 東京都千代田区
事業内容 グローバル共創デザイン(外国人人材向け各種研修、日本人向け受入れ研修、日本語教師向け研修)
http://www.aileron-jl.website/