社名に「Growth」(成長・発展)+「Ship」(船)という意味を込めているグローシップ・パートナーズ。業界に先駆けて投資型クラウドファンディングシステムを開発してきたが、バージョンアップによって、さらなる市場の拡大に貢献していく。(雑誌『経済界』2025年5月号「注目企業」特集より)

同社が開発した投資型クラウドファンディングシステム「CrowdShip Funding」は、銀行などの金融機関を介さず資金提供者と資金需要者がCtoCの取引ができるプラットフォームだ。順調に利用者が増え、昨年は新バージョンの「CrowdShip Market」をリリースした。
「販売事業者と組成事業者がバーチャルで結合することで、自分たちではさばき切れない大規模なファンドも扱いやすくなります。A社で組成したファンドをB社、C社、D社で同時に販売できるようになると、ファンドのサイズに制限がかからず、販売を拡大できるのです」と松井晴彦代表は話す。
事業者が参入しやすいようサブスク型の料金体系にしており、初期費用を大幅に抑えることで、市場を大きくしていく狙いがある。
また、ファンドの事業者に投資家を紹介する「CrowdShip Portal」の開発も今夏リリースに向け進行中だ。
ブロックチェーン技術を活用したセキュリティ・トークン(電子記録移転権利)の発行・管理を行うシステム「OwnerShip」は、運用額が業界3位にまで成長した。新たに自己募集型のデジタル社債のシステムをローンチし、企業は証券会社を通さずに社債をダイレクトに販売できるようになった。
「証券会社に払っていた手数料を利回りや特典に充てることができるので、購入者を増やして、資金調達がしやすくなるはずです」
2月からはJPKI(公的個人認証サービス)を活用した本人確認サービス「CrowdShip Trust」の提供を開始。マイナンバーカードをかざすだけで本人確認ができ、エンドユーザーの離脱防止になる。デジタル庁認証アプリ対応で、新規のアプリ開発も必要ない。
松井代表は、会社の規模の拡大に合わせて、10年後には社員を1千人規模に増やすことを考えている。
「新しい事業は必ず収益化することを目標としています。社員自らビジネスをつくり、成功体験を積み上げてほしい。若手社員も成長しており、新しいビジネスモデルの発表を続けていきます」
会社概要 設立 2016年7月 資本金 5,600万円 売上高 10億円 本社 東京都港区 従業員数 50人 事業内容 経営戦略コンサルティング、ビジネスコンサルティング、ITコンサルティング http://www.growship.com/ |