インフラ老朽化が社会課題となり、対策が急がれる「大改修時代」が到来している。染めQテクノロジィは、独自の補強技術を生かし建築物や橋梁、配管などの延命・再生に革新的な解決策を提供。国内外で注目を集め、官民からの依頼が殺到している。(雑誌『経済界』2025年5月号「注目企業」特集より)

日本のインフラは、高度経済成長期に集中的に整備された結果、老朽化が深刻化している。今後20年間で建設後50年以上が経過する施設の割合が急増し、補修や改修が必要な箇所がさらに拡大する見通しだ。人口減少もインフラ維持へ多大な影響を及ぼしている。特に地方では人手不足が深刻化し、財源不足により改修予算の確保が困難なケースが多い。労働力不足が現場作業の遅れを招き、改修進行の妨げとなっている。
こうした複合的な課題に応えるのが、染めQテクノロジィの革新的な技術だ。同社は劣化した構造物を新築と変わらない性能まで復元し、長寿命化を実現する新素材およびその補強する工法を提供している。これにより、従来よりも施工期間を短縮し、経済的な解決が可能だ。
「インフラを守るには補修だけでなく、構造物の寿命そのものを延ばす必要があります。われわれの技術はその選択肢を提供します」と菱木代表。全国の公共機関や大手企業から高い評価を得る背景には、補強工法の優れた効果と信頼性がある。
既に鉄道、空港、橋梁、トンネルなどの重要インフラへの導入が進み、国内外からの引き合いが増加している。同社の技術は従来の補修方法では対応が難しい深刻な劣化部分にも適用可能で、劣化箇所の素材間に結合する補強材により構造全体を強化する。この技術は下処理や乾燥時間を短縮し、工期とコスト削減を実現。また過酷な環境下でも高い耐久性を発揮し、多分野で高評価を得ている。
その補強工法は、新素材を浸透させて劣化部分と結合・一体化し、構造全体の強度を高める。これにより、橋梁やトンネルなどの大型構造物を取り壊すことなく延命と機能回復が可能となり、廃棄物削減にも寄与する。従来は補修が難しかった埋設配管等の箇所にも適用可能で、持続可能なメンテナンスソリューションとして官民からの引き合いが絶えない。
補修後の長期的な安定性が確保され、さらなる延命が期待できる。「未来を支えるインフラを壊さず、次世代に引き継ぐことこそわれわれの使命です」と菱木代表は語る。染めQテクノロジィのソリューションが、「大改修時代」における課題解決の切り札となる。
会社概要 設立 2002年10月 資本金 5,000万円 売上高 37億60万円(2024年) 本社 茨城県猿島郡 従業員数 89人 事業内容 インフラおよび建造物の延命・再生・補強事業、SDGsおよび環境配慮型事業への取り組み https://somayq.com/ |