経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

培った経験は無形資産。シニアがプロとして働く活躍の機会を提供する 髙橋 啓 プロ人材機構

プロ人材機構 代表取締役 たかはし あきら 髙橋 啓

プロ人材機構 代表取締役 たかはし あきら 髙橋 啓
プロ人材機構 代表取締役 たかはし あきら 髙橋 啓

「私は遅く生まれた子どもで、高校生のとき、父は既に定年退職していました。裕福な家庭ではなかったので、私を大学に行かせるため、父は義足でありながら再就職してくれたのです」と語る髙橋代表。

故郷の山口県でシニアの再就職先はなかなかないが、髙橋代表の父親は土木作業員としての経験が買われ、地元の企業に顧問として採用された。

「父へ恩返ししたい気持ちが強くあります。シニアの皆さんが頑張ってきた経験は無駄ではない。武器を生かして無形資産を次世代に引き継いでほしい。その一心でシニアをターゲットにした事業を始めました」

昨年は3千人の経営者と会った。現在はプロ人材の紹介事業を中心に行っている。ヘッドハンターとして豊富な実績を持つ髙橋代表の元には、事業承継やM&Aに絡め、経営者を外部から招聘したいという企業からの問い合わせが多く寄せられている。

また、新たな取り組みとしてシニアのコミュニティを形成中だ。人材の真価を見極め、知見や成功体験をAIに蓄積することで、シニアの方の経験を顕在化していく。同時にリアルな交流の場も増やしたい考えだ。

「シニア世代はパーソナルな部分を深く知った上で仕事に進んでいくウェットさが大事。交流、学び、アドバイスといった機能を持たせ、プロの活躍の場を提供していきたい」

現在はそのための資金調達を進めている。共感したシニアからのクラウドファンディングも検討中だ。

「最初の目標人数は500人。出資者もメンバーとして共に盛り上げていきたい。私は『シニア』を『プロ』と言い換えたい。今までヘッドハンターが見極めをしていた実績を、AIの力を借りて『見える化』していきます。採用元・候補者にとって選択肢の増加、さらに企業は本来時間をかけるべきことに集中できるようになります」

日本の人口は50歳以降が半数を超え、高齢化は一層進んでいく。活躍するシニアのロールモデル、成功の在り方は千差万別だと語る。

「シニアが得意なことを生かして働く姿を若い世代に見せることは希望につながります。プロとして活躍するシニアを増やせば世の中がもっと良くなると信じています」 

人材業界歴25年、うち20年はプロのシニア領域でヘッドハンティングを行ってきたプロ人材機構の髙橋代表。「私がシニアにこだわる原体験は、亡くなる間際まで働いていた父親にある」と話す。新たにシニアの潜在スキルを掘り起こすコミュニティづくりを進めている。

会社概要
設立 2024年1月
資本金 500万円
本社 東京都港区
事業内容 プロ人材の斡旋事業(プロ人材紹介事業)、プロ人材によるアドバイザリー事業(Provision-Share)、経営コンサルティング事業
https://pro-j.co.jp/