東日本大震災で被災したショッピングセンターの再生をきっかけに会社を設立。再生可能エネルギー、アパートメントホテル、保育園など社会課題の解決を軸にした幅広い事業を展開する霞ヶ関キャピタル。2018年11月に東証マザーズに上場し、信用力、資金調達力を高めている。
独自のビジネスモデルでさまざまな社会問題を解決
霞ヶ関キャピタルは、一般的なデベロッパーとは異なり、「戦略的コンサルティング型デベロッパー」「成功報酬志向型ファンドマネージャー」と自社のビジネスモデルを定義している。その仕組みを代表取締役の河本氏は次のように語る。
「当社は、一般的なデベロッパーのように自社のB/Sで開発するのではなく、アセットタイプに応じた土地を取得し開発プランとスキームを組み立てた後、開発ファンドを組成します。投資家を招へいし、ファンドマネージャーの立場で動くのです。そして竣工物件を売却した際に、投資家の期待利益の超過分を成果報酬として当社が頂く仕組みです」
この独自のビジネスモデルによって、会社設立以来、損失を出したことは1度もないのだという。
事業内容に共通するのは、「社会の課題を解決する」「社会貢献をする」テーマだということ。アパートメントホテル、保育園、再生可能エネルギー施設の開発といった事業内容は、まさに理にかなっている。
「日本のホテルはシングル・ツイン中心で、家族3~5人が快適に泊まるのは難しい。つまり、その大きな需給ギャップが当社のターゲットです。また、当社の開発するアパートメントホテルはもともとインバウンド向けだけでなく、国内のお客さまもターゲットにしているので、コロナ禍が終息すれば、需要の回復は早いと考えています」
保育園事業では、待機児童問題の解決や女性の社会進出への貢献に向け、都内を中心に認可保育園を開発。また、エネルギー問題の解決のために、太陽光・風力発電施設を投資商品にして運用しているのも特徴だ。
変化を起こしたいユニークな人材が集まる
霞ヶ関キャピタルは社員の経歴も多様だ。不動産分野だけでなく、大手商社、外資系金融、銀行、証券会社からの転職組も多く、それぞれの環境に問題意識を抱え、アクションを起こしたいという気概のある人物が集まる。大手企業では一社員が変化を起こすのは大変だが、霞ヶ関キャピタルでは『変化を起こす側へ、回れ。』を社是としており、「変化」=「是」である。
「変化を恐れず、ルールや固定観念に固執せず、柔軟性と行動力を持って進化し続ける人材を求めています。各自の専門スキルを融合し、新たな価値を生むのが当社の強みであり、フラットかつ常に挑戦できる環境を用意しています。事業を拡大するために新しいアイデアは大歓迎。企画の提案を重視しており、社員が役員に直接プレゼンできる機会を設けることで、勝つプレゼン力が身に付きます」
会社だけにいると視野が狭くなるため、人間力を養うことを目的とした副業はウェルカムだ。
「今後もさまざまな経歴の人材を集め、従来にない視点から、新規事業を生み出していきたいと考えています」
物流施設、事業承継 新たな社会課題への挑戦
霞ヶ関キャピタルが現在、取り組んでいるテーマには、物流施設、事業承継などがある。
物流は、eコマースの拡大で配送網が多様化し、また冷蔵・冷凍庫の供給も求められている。
「大規模物流施設のみならず、消費者行動に応じた物流網を築くべく、中小規模の施設の開発、並びにコールドチェーンの構築に注力していきます」
また現在、後継者不在により休業や廃業を余儀なくされている企業が増加している。事業承継の有力な手段の一つがM&Aであるが、未活用で負の資産となっている不動産を保有していることでスムーズに実行されないケースも多い。そこで注目されているのがCRE(コーポレート・リアル・エステート)戦略である。
「不動産はわれわれの得意分野です。ほかの事業で信頼関係を築いた地方銀行とも連携して、不動産の入れ替えや整理を行い、スムーズな事業承継のお手伝いをしていきたいと考えています」
未来に向かって多岐にわたる事業展開を行う一方、河本氏は日本という素晴らしいインフラを築いてきた先代の遺産を食いつぶしてしまうことへの危機感も持つ。
「一人一人が志を持って、課題を解決していくことで明るい未来が見えてきます。突破力がある人に当社で活躍していただきたいです」
会社概要 設立 2011年9月 資本金 30億7,764万円 (資本準備金含む、19年12月現在) 売上高 53億5,200万円 (19年8月期、連結) 所在地 東京都千代田区 従業員数 65人 事業内容 不動産コンサルティング事業(アパートメントホテル開発、保育園開発、海外投資)、自然エネルギー事業 https://kasumigaseki.co.jp/ |
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