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「100人100通り」のサイボウズ流働き方を「note」で公開 青野慶久 サイボウズ

青野慶久 サイボウズ

(雑誌『経済界』2023年9月号 総力特集「人材育成企業2023」より)

青野慶久 サイボウズ
青野慶久(あおの・よしひさ) サイボウズ社長

「100人100通りの働き方」で知られるサイボウズ。しかしここまでの道のりは平坦ではなく、離職率が28%にも達していた時代がある。それを青野慶久社長が、「チームワークあふれる社会を創ることを目指すなら、サイボウズ自身がレベルの高いチームワークを実践しなければならない」ことに気付き、そこから多様性を認める働き方への挑戦が始まった。

ユニークなのは、そのような働き方を可能にするための人事施策を公開していることだ。

コンテンツを手軽に発信・共有できるプラットフォームである「note」に「サイボウズの舞台裏」というページがある。サイボウズの会社づくりの今を伝えるオウンドメディアで、「100人100通りの働き方」を支える人事制度の誕生秘話や実際の活用事例、 人事メンバーの仕事ぶりや苦労などを発信している。

「100人100通りのキャリアと向き合う、ということ」という連載では、キャリア支援の仕組みや基本的な考え方に詳しく触れているし、4月に公開された「サイボウズの給与評価」の舞台裏という記事では、給与の評価方法だけではなく、平均年収総額や昇給率も公開されている。それによると、今年の昇給率は8・1%で過去最高を記録した。今年の春闘の賃上げ率は31年ぶりの高水準となったが、それでも3・91%(経団連調査)。サイボウズはそれを大きく上回る。

このように人事制度をオープンにするのは、サイボウズの自信の表れであるとともに、よりよき働き方に対するサイボウズの提言だ。働き方改革のトップ企業ならではの責任感がそこにはある。