経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

社員を育成することで会社も成長していく 少数精鋭のIT技術者集団 天野賢二 ECN

ECN 天野賢二

ウェブサイトの制作から受託システムの開発、スマホの開発まで、ソフト・ハード両面の技術力を持ち、顧客からの信頼も厚いECN。顧客先での常駐案件は受けないという天野賢二社長に独自のIT人材育成の方針を伺った。(雑誌『経済界』2024年9月号「総力特集 人材育成企業2024」より)

ECN 天野賢二
ECN 天野賢二

創業から3年ほどは天野代表が一人でシステム開発を行っていたが、その後事業を拡大し、人員を増やしていった。営業をしなくても案件の依頼が多く、顧客が新たな顧客を紹介してくれることも増えた。メイン事業はウェブサービスの開発だが、特定の企業用スマホをデバイスから開発する案件の売り上げも多く、技術力は幅広い。

「過去のシステムの使い回しではなく、顧客ごとにゼロから向き合って、課題を解決するシステムを本気で提供する姿勢が信頼を得ているのだと思います」

顧客が満足するシステムを開発するためには、エンジニアのスキルも上げていかなくてはならない。

「大企業ではないので高給で高いスキルのエンジニアを雇えるわけではありません。しかし、働きやすい環境を整え、経験が浅い人材も丁寧に育成してきたことで、案件が途絶えない会社へ成長していきました」

同社ではインターンにも現場の仕事を任せ、経験値を高めてもらっている。その結果、仕事の面白さややりがいを実感し、入社につながることもあった。

「フレックス制で自由度の高い働き方ができますが、在宅勤務は週1回だけと決めています。出社して社員同士でコミュニケーションを取ることが精神衛生上、大事だと考えているからです」

オフィスは横浜だが、東京の企業の案件がほとんどだ。顧客先で常駐する案件は受けていない。会社としてナレッジが蓄積できず、社員の成長にもつながりにくいからだという。

「言われたことだけをやるエンジニアは今後ニーズがなくなると思います。自分で考え、信念を持ってシステムを開発していくことが、今後のエンジニアには必要不可欠な要素であると確信しています」

今後は社員を100人以上に増やし、会社の規模を拡大していけるよう、人材育成に一層力を入れていく。

「日本のエンジニアは技術力が高いのに、世界から日本はIT後進国だと思われています。世界で通用するエンジニアやサービスを育てて会社を拡大していくことが、日本のIT力を上げることにつながると考え、人材は随時募集しています」 

会社概要
設立 2012年7月
資本金 1,000万円
本社 神奈川県横浜市中区
従業員数 20人
事業内容 ウェブサービスの企画・開発・運営、システムコンサルティング、デザイン制作
https://www.ecninc.co.jp/