マネジメント

仕事で成長したければ相談相手を選べ

 先日、1年間の目標設定のための合宿「年収1億円手帳合宿」を箱根で開催した。その時、ある女性の生徒さんから、こんな相談をいただいた。

 「今年から新しいことに挑戦したいと、ある方に相談したら、全否定されてショックでした」と。

 自分を成長させたいと願い、相談することはよくあることだ。しかし、相談する相手はだれでもいいというわけにはいかない。気の毒に、この女性は相談する人間を間違えたのである。

 世の中には、3つのタイプの人物が存在する。「愚かな他人」「愚かな自分」、そして「優れたメンター」の3人だ。彼女が相談したのは、「愚かな他人」だったのである。

 「愚かな他人」とは、実績もなく、自分が体験したこともないにもかかわらず、あらゆることを自分の低い基準で判断してしまう人のことだ。このような人に相談しても、実りある回答をもらえるはずがない。

 例えばベストセラー本を出したいのなら、数冊以上のベストセラー本を出した作家か、ベストセラー作家を育てたプロデューサーや編集者に相談しないと無駄だということである。経営の相談ならば、自分が経営者として成功していて、かつ、後輩の経営者を育成している方に相談しないと意味がない。

成長する伸びしろを重視する

 いちばんたちの悪い相談相手とは、昔話で自慢ばかりする人だ。今も成功し、成長している人でなくては何の価値もない。私は過去の自著でも同じことを指摘しているのだが、そういう人は「昔を生きている人」であり、「時代の改変に対応し進化している人」ではないのである。

 次に「愚かな自分」。誰しも自尊心や虚栄心があり、自分をよく見せたいと思うものだが、現在の自分が「愚かである」と自覚できない人に成長できる可能性はゼロに近い。

 愚かな自分であることを自覚できれば、素直に人に聞くこともでき、言われたことを受け入れて行動することもできる。

 全国に200店舗以上の美容室を展開するアースホールディングスの國分社長は、スタッフが○か×だとすると、×評定の人のほうが、「成長する伸びしろ」が大きいという。〇の人は現状で満足してしまいがちであり、「愚かな自分」であることを自覚できないことが多いからだ。逆に×評価だと、自分の分というものを自覚していて、成長のために何でも吸収しようとする。結果的に成功するのである。

仕事で成功したければ優れたメンターの指導を受け入れよ

 そして「優れたメンター」である。それは、自身が成功していて、かつ、育成した人も成功に導いている。さらに今現在も成長し続けている。そういう人だ。

 そんな人をメンターに持つことで、自分にはない「高い基準」を強制的に導入することが可能である。結果も必ず出てくるのだ。

 いちばん典型的な例が、ライザップの方式だろう。痩せたいと願う人が、いくら自分の基準(低い基準)で頑張っても成果がなかなか出ない。さまざまな「愚かな他人」である商品やサービスを試した挙句、失敗続きだ。

 ところが「優れたメンター」であるトレーナーの指導を、素直に、実直にそのまま実践していれば、必ず痩せられるのである。

 「結果にコミットする」というキャッチフレーズは、まさに「優れたメンター」だからこそ言える言葉だと思う。

 もうお分かりだろう。あなたがすべきは、自分を「愚かな自分」と自覚し、「優れたメンター」の基準で物事を考えて行動することなのである。それが年収1億円の流儀だと言っていい。

[今号の流儀]

 自分を愚かだと自覚し、優れたメンターの基準で考え、行動せよ。

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件とダスキン事件に学ぶ 不祥事対応の原則

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

ブラック企業と労災認定

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

上場して分かったTOKYO PRO Marketのメリット―前田浩・ニッソウ社長に聞く

多くの経営者が目標とする株式上場。しかし、上場に掛かるコストや時間、その他諸々の条件を考慮して、「上場は到底無理」と諦めてしまうケースも少なくない。そんな経営者にとって有力な選択肢となるのが東京証券取引所の運営する第五の市場TOKYO PRO Marketへの上場だ。2018年に同市場に上場を果たした、株式会…

未来のモビリティ社会実現に向け日本と欧州の懸け橋に―シェフラージャパン

日本一歴史の長い女性用化粧品会社が挑む「革新と独創」―伊勢半

新社長登場

一覧へ

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

イノベーターズ

一覧へ

チェ・ゲバラに憧れた10代起業家が目指す「働き方革命」― 谷口怜央・Wakrak(ワクラク)社長

高校中退、ITスキルなしの17歳の青年が立ち上げた会社が、わずか2年で利用企業約500社、ユーザー約6万人のアプリを運営するまでに成長している。「世の中を変えたい」という思いを原動力に突っ走る谷口怜央・Wakrak(ワクラク)社長に話を聞いた。(取材・文=吉田浩)谷口怜央氏プロフィール…

Wakrak(ワクラク)社長 谷口怜央氏

ペット仏具の先駆企業が「ペットロスカフェ」で目指す癒しの空間づくり

元引きこもり青年が「cluster」で創造する新たなVRビジネスとエンターテインメント(加藤直人・クラスターCEO)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年7月号
[特集] 素材の底力〜世界をリードする素材産業〜
  • ・素材のイノベーションが日本経済をリードする
  • ・化学工場 企業ごとの特色も鮮明に存在感増す化学素材
  • ・電気自動車普及が始まる車載バッテリーの覇権戦争
  • ・炭素繊維 市場を開拓してきた日本が技術的優位を保ち続ける法
  • ・「鉄は国家なり」の時代を経て問われる「日の丸製鉄」の競争力
  • ・経産省 日本の素材産業が世界をリードするための3つの課題
  • ・就職人気は下位に低迷でも焦らない素材メーカー
[Special Interview]

 日覺昭廣(東レ社長)

 「長期的視点で開発するのが素材企業のDNA」

[NEWS REPORT]

◆営業利益率10%突破 ソニーならではの「儲けの構造」

◆日本初の民間ロケットが宇宙空間に到達

◆携帯参入まであと4カ月 国内4番手「楽天」の勝算

◆日産・ルノーが直面する「経営統合問題」長期化の落とし穴

[Interview]

 「君は生き延びることができるか」──ガンダム世代が歩んだ40年

 常見陽平(評論家・労働社会学者)

ページ上部へ戻る