マネジメント

1日に3人以上と会ってはいけない

 予定がびっしりと埋まっているスケジュール帳を見て、うっとりしている人はいないだろうか。残念ながらそんなあなたは、稼げない人だと断言しなくてはならない。

 スケジュール管理だけの思考法ではとても稼げる人にはなれないのだ。それは「捨てる」大切さを認識していないからである。捨てないから、最も重要なことに集中しないまま、エネルギーを分散させて日々を過ごす結果になってしまう。

 この捨てる意識がないと、誰に会う、何をやるという予定で真っ黒になった手帳を見て、「俺は仕事をしている」という気分に陥ってしまうことになる。

 実は私も若いころ、電話でアポを取り、手帳に書き入れている時、次々に空欄が埋まっていくのに不思議な満足感、充実感を覚えていたものだった。

 しかし、そのころのメンターである地方銀行の副頭取が、「江上君、毎日何人にも会ったらダメだ。1日に3人以上には会ってはいけない。集中しなさい」と、そんな私の行動をいさめてくれたことがあったのだ。

 2人だけに会う。その2人のためだけに提案資料を作り、2人の家族構成から趣味嗜好、好きな食べ物、どんな場所・店で会えば喜ぶか、すべてを調べてから会う。

人に会うことがあなたの目的なのか

 会う人を2人と限定しているからこそ、こうした情報の深掘りができる。

 しかし、手帳が黒くなるほど人と会っていたら、そこまで手が回らない。手が回らないということは、面会が粗雑になるということだ。粗雑になるから当然、成果が上がらないのである。

 人に会うことが目的だと思っている人は、成果を最初から期待していない人と言い換えてもいいだろう。

 その日々の行動がどのような目的を達成するために行われているのか、という最も重要な意識が、会うのが仕事と思っている人には欠けているのである。目的意識を欠いた行動は、毎日をバラバラな不連続の集合体としてしまう。

 稼ぐ人は、目的を定め、その目的から引き出された目標を定義し、その達成のために誰と会わなければならないかを考えて行動する。稼げない人には、そもそも、その意識がないのである。

 会うのが仕事ではない。目的を達成することが仕事なのである。しかし、どうしても日々の仕事に追われるうちに、人は会うことそのものが目的化してしまいがちになる。

手帳の最初のページに「目的」を書きなさい

 ではどうしたらよいのか。ここではそのヒントを簡単に紹介しておこう。簡単なことではあるが、実はここに記したことを実行すれば、あなたは間違いなく「稼げる人間」になるだろう。

 まず、手帳の最初に、あなたにとって、ゆるがせにできない「目的」を書き、それを毎日確認するのである。

 「目的」ということは、少し分かりづらい言葉であるが、「夢」を現実に置き換えたものが、「目的」となると考えていい。経営者ならば「理想とする会社」「ぜひ成功させたい事業」などがそれにあたるだろう。サラリーマンなら「○○事業で起業する」を目的としてもいい。

 あるいは目的から演繹された「目標」でもよい。目標は「売上10億円」のように数字で表されることが多い。

 この「目的」「目標」を達成させるために、いま会うべき人は誰なのか。ここで「会う人」を決めるのだ。とてつもなく稼ぐ人は、自分の仕事の成果とは何かを常に意識し、それを手帳の最初のページに書いて毎日確認し、行動がブレないように行動し、大きな成果を出し続けているのだ。

今号の流儀

目的を考えよ。その目的から、今日の行動が決まるのである。

適切な人か不適切な人か

 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件とダスキン事件に学ぶ 不祥事対応の原則

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

ブラック企業と労災認定

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

家族葬のファミーユが目指す「生活者目線で故人に寄り添う」葬儀の形

家族葬のファミーユは家族や親族など故人の近親者だけで施設を貸し切って行う「家族葬」のパイオニアだ。創業者・高見信光氏は異端児と言われながらも旧態依然とした業界を変えてきた。その思いに共感し、異業種のリクルートから転じて社長を引き継いだ中道康彰氏も業界の常識を打ち破るため奮闘している。文=榎本正義(『経済界』2…

不動産のノウハウや技術を生かしサステナブルインフラへ―いちご

次世代車向け先進技術を応用する日本発プラットフォーマー ―イーソル

新社長登場

一覧へ

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

アサヒグループ食品の副社長から、この3月にアサヒビールの社長に就任した塩澤賢一氏。長年、ビール営業畑を歩み、マーケティングを兼ねた繁華街歩きを趣味にしている。街の変化から世の中の流れを読む塩澤新社長が挑むのは低迷するビール市場の活性化。若者需要を伸ばしつつ、スポーツイベントを商機として攻勢をかけていく。聞き手…

塩澤賢一(アサヒビール社長)

「事業部門の連携を活性化させ営業利益100億円を目指す」 内藤宏治(ウシオ電機社長 )

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

イノベーターズ

一覧へ

シリコンバレーへの挑戦が生んだ「起業家と投資家が待ち望んだサービス」― 戸村光・ハックジャパンCEO

起業家のスタンスとして、画期的な技術やビジネスモデルを社会で活かすことを目的としたイノベーション先行型もあれば、社会課題解決を最優先とし、そこに必要な技術やノウハウを当てはめていくやり方もある。ハックジャパンCEOの戸村光氏の場合は後者。対象となる課題は「身の周りの気付いたことすべて」だ。(取材・文=吉田浩)…

戸村光・ハックジャパンCEO

「測量美術」が起こす道路工事のイノベーション―草木茂雄・エムアールサポート社長

IT化で変革する産業廃棄物処理の世界―福田隆(トライシクルCEO)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年10月号
[特集] 進撃のスタートアップ
  • ・スタートアップ・エコシステムの活性化
  • ・[スパイバー]2万5千円のTシャツは完売 実用化が迫った人工クモの糸
  • ・[Rhelixa]エピゲノム関連の研究・開発で人類の役に立つ
  • ・[チャレナジー]台風発電でエジソンになる ビジネス展開は「島」から
  • ・[エイシング]エッジで動く超軽量AIでリアルタイムに予測制御
  • ・[キャディ]製造業に調達革命! 町工場は赤字から脱出へ
  • ・[Clear]目指すは日本酒産業のリーディングカンパニー
  • ・[空]「値付け」の悩みを解決するホテル業界待望のサービス
  • ・宇宙ビジネスに民間の力 地球観測衛星やロボット開発
  • ・71歳で環境スタートアップを立ち上げた「プロ経営者」
[Special Interview]

 荻田敏宏(ホテルオークラ社長)

 「The Okura Tokyo」をショーケースに海外展開を進めていく

[NEWS REPORT]

◆戴正呉会長兼社長を直撃! なぜ、シャープは復活できたのか?

◆アスクル創業社長を退陣させた筆頭株主・ヤフーの焦り

◆サービス開始から3カ月で撤退 セブンペイ事件の背景にあるもの

◆絶滅危惧種ウナギの危機 イオンが挑むトレーサビリティ

[特集2]

 富裕層は知っている

・富裕層の最大の使い道は商品ではなく次代への投資

・シンガポールからケイマン諸島まで 資産フライトはここまで進化した

・年間授業料100万円超は当たり前 教育投資はローリスクハイリターン

・最先端の人間ドックは究極のリスクマネジメント

・家事代行サービスで家族との時間を有効活用

ページ上部へ戻る