政治・経済

 国土交通省は、全国で約7割の自治体が運営している「空き家バンク」に登録された空き家や空き地の情報について、横断的に閲覧できるデータベースの構築に乗り出す方針を決めた。管理できないまま放置される空き家が全国で増加。防災や防犯、景観面で悪影響を与えかねない実情を踏まえ、空き家の再流通や民間利用の促進を図る。

 併せて国交省は不要になった空き家について所有者が自治体などに寄付できるよう制度設計を進める。担当者は「独自に空き家の寄付受け入れ制度のある長崎市や東京都奥多摩町といった先進事例を参考にする」としている。

 データベースは、この自治体への寄付促進を図るツールとなる。たんに寄付を受け入れるばかりでは自治体の負担が増すが、これまでは引き受け手を探すための空き家バンクが個別に構築されていたため、空き家の購入希望者が物件の情報を集めるには、自治体ごとに調べる必要があった。

 全国の空き家は約820万戸と20年間で1・8倍に増加。国交省はこのうち賃貸や売却用などを除いた318万戸について、2025年度で400万戸程度に抑える数値目標を掲げる。

 だが空き家の増加を止めるのは容易ではない。持ち家率は団塊世代で約8割、団塊ジュニア世代も約6割で、相続が発生した場合に住宅は不要となる可能性が高い。最近では都市圏の居住者が地方の空き家を相続し、管理や除去にかかる費用負担が重くのしかかるケースが顕在化する。

 そこで国交省が解決策として白羽の矢を立てたのが、今回進めようとしている自治体への寄付だ。日本財団の調査によると、9割以上の自治体が土地について「寄付の申し出がある」とする一方、過半数は行政利用が見込めないなどの理由で寄付を受け入れていない。国交省は制度設計で空き家の流通市場が拡大すれば、自治体が寄付を受けやすくなると期待している。

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