政治・経済

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 金融庁の幹部人事が決まった。森信親長官は続投し3年目に入る。また氷見野良三金融国際審議官、遠藤俊英監督局長らは軒並み留任した。動いたのは2人だけで、証券取引等監視委員会の佐々木清隆事務局長が総括審議官に就き、総括審議官だった森田宗男氏は監視委の事務局長に就任。「異例」とも言える今回の人事。官邸の後ろ盾を得て権勢を誇る“森体制”がより盤石なものになる。金融業界は恐れおののいている。

 これまで長官を3年務めたのは五味廣文氏、畑中龍太郎氏の2人だけだ。かつて畑中氏の長期政権に批判的だったとされる森氏は、当初こそ続投を固辞したものの、官邸からの信頼が厚く、強い要請があって留任が決まったという。

 森氏は2015年に長官に就任して以来、金融機関に顧客本位の業務を促し、日本経済の成長につなげるという青写真を描き、先頭に立って改革を強力に推進してきた。

 その手腕は確かで、金融機関の反発をものともせず、投資商品の手数料開示などを実現した。しかし、強引なやり方に金融機関には“森アレルギー”が蔓延。森体制の継続に、ひどく落胆する声が広がっている。

 反発をよそに、ますます影響力を強める森氏。さらに今回の局長らの人事には、その意向が色濃く反映され、“森支配”が進むとみる向きも多い。

 遠藤氏は監督局長を退くと見られていたが、続投することになった。長官に望みをつないだ格好だが、ある大手銀行幹部は、「森氏は国際経験が豊かな氷見野氏を買っており、氷見野氏の長官就任を見据えたワンポイントリリーフではないか」とみる。

 さらに、監視委の事務局長となった森田氏。「少額投資非課税制度(NISA)の関係でヘタを打ったことで、森氏からにらまれて飛ばされたのかもしれない」(金融業界関係者)との憶測が上がっている。

 金融庁は今後、検査・監督を一体化する金融庁自体の大規模な組織再編に乗り出す。金融機関を厳しく検査し処分するのではなく、対話で問題点を把握し、よりよい金融を目指す態勢を整える狙い。森改革の総仕上げだ。しかし“絶対権力者”と化した森氏と、萎縮する金融機関との間で、対等かつ建設的な対話はできるのか。改革は名ばかりに終わる可能性もある。

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