マネジメント

(『経済界』2019年11月号より転載) 

青野慶久

サイボウズ社長 青野慶久(あおの・よしひさ)

 

 グループウエアでシェアトップのサイボウズは、働き方改革のトップ企業としても有名だ。「100人100通りの働き方」が可能で、社員は好きな時に好きな場所で勤務できる。育児休暇は最大6年間あり、副業は完全自由、定年もない。それでいて業績は好調で、今期で4期連続増収増益を見込む。

 以前のサイボウズはITベンチャーらしく、ハードワークが当然で、2005年には離職率28%だった。ところが12年前、青野慶久社長が「世界一のグループウエア企業を目指す」と宣言してからすべてが変わった。「グループウエアによってチームワークあふれる社会をつくる」(青野氏)。ならばサイボウズ自身がレベルの高いチームワークを実践しなければならない。また、多様性を重視し100人100通りの人事制度にも取り組んだ。その結果、離職率は13年には4%を切った。

 もっとも自由だからといって社員に甘い会社ではない。自由の前提には「自立」がある。社員は常に自分で選択し責任を取る。疑問点があれば、質問することが義務付けられる。「『質問責任』と呼んでいますが、おかしいと思ったら質問する。それに対して質問された人は『説明責任』を果たす。社内では常に質問が飛んでいるし、私にも向かって来る。その代わり、飲んで愚痴を言うのは許さない」(青野氏)

 サイボウズの働き方改革に終わりはない。毎日のように社員から提案が上がる。採用されるかどうかは世界一を目指す上で有益かどうか。この絶対軸が、多様性と生産性の両立を可能にしている。

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