経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

確かな技術と高レベルの接遇で患者の厚い信頼を得る美容外科–医療法人社団東京ヒルズクリニック

2020注目企業38

 東京ヒルズクリニックは愛知県岡崎市と東京都新宿区で美容外科と美容皮膚科を経営している。確かな技術とホスピタリティーあふれる接遇を通じて患者の高いリピート率を実現し、紹介や口コミによる新規の来院数が増加しているという。杉浦功修院長が語る経営が好調な理由と今後の展望とは。(『経済界』2020年4月号より転載) 

杉浦功修氏

医療法人社団東京ヒルズクリニック院長 杉浦功修(すぎうら・いさお)

 

患者の顧客満足度を徹底的に追求する

 JR高田馬場駅から徒歩10分圏内にある東京ヒルズクリニック新宿院。クリニックの待合室にはイタリアの高級家具ブランド・カッシーナのソファーを配置し、ラグジュアリーホテルのザ・リッツ・カールトン東京で使われているアロマを採用している。カウンセリングルームはグッチの家具で統一している部屋や、ピンクでポップな雰囲気を演出した部屋など多種多彩だ。院内は杉浦功修院長のこだわりを細部まで反映している。その他にもVIP患者をランボルギーニで駅まで送迎するなど、顧客満足度の向上に余念がない。

 「私たちはホスピタリティー精神を大切にしながら、患者さんにいかに喜んでいただけるかに配慮しています。スタッフにはノルマを一切課さず、『笑顔・気遣い・感謝』の接客が自然にできるような職場づくりを行っています。今後もサービスの質を高めて、理想のクリニック像を追求します」

 同クリニックの患者の多くは20~40歳代の女性で、タレントらも数多く来院している。インバウンド対応にも積極的で、中国人富裕層の患者が少なくない。杉浦院長は福田康夫元首相や鳩山由紀夫元首相らと共に中華人民共和国建国70周年パーティーに招待され、現地の学会で講演するなど、中国の医療界からも注目されている。患者のリピート率が高く、口コミや紹介での新規来院が増加しており、「特に新宿院は集客目的で広告を出すことはほとんどない」という。

 その要因は接遇レベルの高さはもちろん、美容外科医として24年以上の実績を持つ杉浦院長の確かな技術にある。手掛けた患者数は累計2万5千人以上で、症例数は22万件以上に達している。

 「患者さんの声をくみ取って、時代の変化に対応しながら最先端の技術を積極的に採り入れるように心掛けています。目指しているのは患者本位の医療です。エビデンスが確認された、私自身が納得できる施術を実践しています」

ダウンタイムが短い「スレンダーノーズ」が好評

 杉浦院長が現在、注力しているのは丸い鼻に高さを出して細くする手術「スレンダーノーズ」だ。いわゆる「団子鼻」に悩んで手術を受けても、施術者の腕が良くない病院では手術後の腫れが引かず、元に戻ってしまうケースが珍しくない。一方、同クリニックでは特殊な糸と針を使用しながら、腫れの出にくい部位にアプローチして施術を実施。ダウンタイム(術後から回復するまでの期間)を短くできる上、患者にとっての「理想の鼻」を維持できるという。

 「美容整形はダウンタイムや副作用がないのが一番です。整形には『切って縫う』というイメージが付きまといますが、当院ではメスをできるだけ使わないで美容成分を注射するといった皮膚へのダメージが少ないメニューを拡充しています。患者の皆さんには安心してきれいになっていただける環境を提供していきたいですね」

 杉浦院長が患者のための環境整備として最近開始したのが再生医療サービスだ。幹細胞からアンチエイジングに作用する成分のみを取り出して皮膚に注射。しわやたるみの改善に働きかける。杉浦院長は「新しいことに挑戦するのが楽しい。私自身の興味があることをとことん追求し、その結果、患者さんに喜んでいただく。今後もこういったサイクルを回していきます」とほほ笑む。

VIP患者送迎用

VIP患者送迎用のランボルギーニ

 同クリニックでは新たな挑戦として、東京五輪を目指しているアスリートのサポートにも乗り出した。独自開発の医療アートメークで汗や水にも落ちない美しい眉を実現する「MESMR」(メスム)や脱毛などを通じて、見た目の美しさをバックアップしている。

 「女性選手は競技中、ノーメイクでいてもきれいでいたいと考えるものです。中には自身の肌荒れを気にして本番のパフォーマンスに影響してしまう選手もいます。男性では競泳選手が水の抵抗を少なくするために医療脱毛を受けるケースが多いですね。選手たちには美しい見た目で美しい色のメダルを獲得してほしい。東京五輪の開幕が楽しみです」

 杉浦院長はアスリートを含めて見た目の悩みをどこに相談すればいいか知らない人が多いとみている。従来の口コミや紹介に加えて、ブログ、インスタグラム、フェイスブックといったSNSを駆使しながら、潜在的な悩みを解決していく構えだ。

————————————-
会社概要
設立 2016年12月
売上高 8億円
所在地 東京都新宿区
従業員数 20人
事業内容 「東京ヒルズクリニック」新宿院(東京都)と岡崎院(愛知県)の運営
https://tokyo-hills-clinic.com/
————————————-