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南原竜樹氏の名言「人生の成否はDNAで決まっている。要はDNAの使い方だ」

富裕層専門のカリスマFP 江上治

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月6千万円の小遣いも使わなかった南原竜樹氏

 かつてテレビ番組「マネーの虎」で人気を博し、現在、LUFTホールディングス代表取締役を務める南原竜樹氏にお会いした話を、先月、この欄に書いた。氏は、レンタカー事業や出版事業、飲食店事業などを多角的に展開している、有名な投資家である。

 そもそもは学生時代にドイツに行き、心を奪われた欧州車の輸入をして以来、輸入車の販売で起業した学生起業家だ。お会いした時もその当時を話題に載せ、25歳のころから親父たちの生活の面倒を見ていた、と笑った。 なにしろ、1カ月に30台くらいの車を売り、そのころのお金で3千万円くらい稼いでいたというから、すごい。

 「今の物価感覚でいえば月に6千万円くらいの小遣いがあった。ただ、使う方法を知らないから、お金が入っても次の仕入れ資金に回すだけ。全然、遊ばなかった」

 ひたすら仕事仕事の毎日で、年商は100億円まで伸ばしたが、2004年にイギリスのMGローバーの破綻のあおりを食らって資金繰りに行き詰まり、ホームレスまで落ちた話はよく知られている。

 氏はこのどん底から立ち直り、イギリスのスポーツカーの輸入権を獲得した後、ワイン、コンテナ物流、福利厚生受託、レンタカーと瞬く間に多角化に成功したのだ。

 さて、このインタビューで南原氏は「南原DNA理論」を開陳している。事業に成功するか失敗するかは、努力とか運とか言う前に既にその人間のDNA(遺伝子)に刻まれていて、つまり生まれながらに決まっているというのである。

 「性(さが)は変わらない。同窓会にたまに行ったら、小学生のころ、給食を教室の隅っこで食べていたやつは、今でも隅っこで飲んでいた」(笑)

 私は15歳までの環境と20代の過ごし方で決まると思っているのが、南原氏は「生まれついて決まっている」というのだから、ずっとラジカルだ。

南原竜樹氏の名言から考える経営戦略

 前回、この理論を紹介したところ、案の定「そんなことなら、人間の努力なんて無駄ということじゃないか」と、だいぶ批判の声が届いた。それで、これはDNAについての氏の説明の紹介が、やや舌足らずだった、私の責任だと反省したものだ。

 実は、南原氏はこの結論の後で、次のような言葉を続けているのである。

 「ただ、DNAは使い方次第だ。例えば僕がゴルフでタイガーウッズの10倍練習しても追いつかないが、ゴルフではない土俵に勝負を持っていけばいいだけの話。ビジネスなんていちばんいい加減な種目だから。

 ラーメン屋ひとつとっても、知り合いのラーメン屋は食べ歩きして研究しまくって、おいしいスープをつくるんだが、最近近くにできた、こじゃれた店に客を奪われて売り上げが落ちたと嘆いていた。

 でも、こじゃれた店に負けているというのは戦略の違いだけ。店の雰囲気を変えたりテレビに出たり、自分のDNAに合った戦略がとれるかどうかだ。

 商売はスポーツとは違って、決められたルールに沿って実行しなくてはならないものではない。だから自分のDNAに合った商売のやり方は、必ずある。フォローの風の中でボールを打つようにすればいい」

 戦略をどうするかで、風はフォローにもなるし、アゲインストにもなるのだ。

ストレスに強くなれるのは人間だけ

 ストレスについても一家言あった。私が、

 「サラリーマンの間では、ストレス耐性の強い人と弱い人の差が極端になっている気がする。私は大手の保険会社にいたが、50歳前後になって会社に残っている人間は、ほとんどがストレスのために病んでいる」と言うと、

 「サラリーマンのストレスなんて高が知れている」

 「ストレスは悪いことじゃない」と、断言した。

 「例えば、会計事務所で働いている知り合いの女性は、仕事が多くてすごいストレスだと言っていたけど、その忙しいおかげで、おそらく彼女はわずかな間に事務処理能力がものすごく上がっている。

 それで彼女は引く手あまたになって、いろいろなところから声がかかるようになった。

ストレスを与えられて強くなれるのは、人間だけだと思う」

 ストレス耐性の強い人間は、一段の高みに身を置くことができるというのである。

[今号の流儀]

どんな環境でも、意志一つ、考え方一つで良くも悪くもなる。

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