一般企業向け新卒採用コンサルティングと全国104カ所で運営する介護の資格学校「日本総合福祉アカデミー」が主力。eラーニング、動画コンテンツ配信、法令、求人情報など介護にまつわるポータルサイト「Gケアネット」も開発・運営している。(『経済界』2020年4月号より転載)
介護・医療施設内に福祉関連の資格講座を受講できる養成校をつくる「学校機能構築プロジェクト」。業界初の取り組みで介護業界に新風を吹き込んでいるのがガネットだ。運営する「日本総合福祉アカデミー」を全国104カ所で展開し、介護・医療・介護派遣事業者の人材課題に取り組んでいる。
「教室は東京、名古屋、大阪を軸に展開してきましたが、2019年は北海道、北陸、九州などで金融機関との共催セミナーを開催。昨年は上場企業やその系列会社とのタイアップも増えました。取引社数は現在約350社、修了生も累計約3500人を超えており、受講生も毎年130%くらいの勢いで増えているので、22年末までには300教室に増やす予定です。今後は自治体などへの働きかけや、異業種などへも横展開を図るなど課題解決に向けた取り組みを加速させます」と藤田達也社長は手ごたえを感じている。
日本総合福祉アカデミーは介護施設の空き会議室などを利用して教室を展開しているため、校舎や設備管理の費用負担を抑えることができる。また職場で受講できることから従業員にとって利用しやすい独自モデルとなっている。
また、次世代型プラットフォーム「Gケアネット」を19年夏から順次バージョンアップしており、2年後にはシステムインフラの「ライフケアネット」として完成の見込みだ。
「介護にまつわるプラットフォーマーを目指しています。施設が探せる、求人が見つかる、教育ができる、法令が把握できるという4つの軸で、さまざまな情報コンテンツからトータルに介護職員をサポートしていきます」
団塊の世代が25年ごろまでに後期高齢者(75歳以上)に達することにより、介護・医療費などの社会保障費の急増が懸念されている2025年問題、介護人材不足、介護離職問題など、これからの日本は過去に経験のない大きな問題や困難に立ち向かうことになる。人材補填上のロボット開発、外国人労働者の活用など以外に、この「ヘルパーショック」解決のための根本的な課題解決に立ち向かうガネットの取り組みに期待が集まっている。
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会社概要
創業 2008年2月
資本金 2,000万円
所在地 東京都渋谷区
従業員数 43人(非正規職員含む)
事業内容 介護事業特化型事業、教育研修事業、HRMソリューション事業、
ブランドマネジメント事業
https://gannet.co.jp/
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