収益用不動産の売買と賃貸事業で2007年の創業以来、連続増収を続ける武蔵コーポレーション。収益不動産のリーディングカンパニーを目指し、資産運用を通じて人生の安心と快適な住環境を提供することをミッションとして掲げる。(雑誌『経済界』2023年5月号「注目企業2023」特集より)
武蔵コーポレーション 代表取締役 大谷義武氏
賃貸管理のニーズが増え管理戸数の伸び率は全国1位
東京大学を卒業後、三井不動産を経て独立した大谷義武代表。前職ではショッピングセンターの開発に携わっていたが、「それは本当に地域の人の幸せになるのだろうか」と疑問を感じ、「人から感謝される仕事をしたい」と考えて独立。自身が実家の相続でアパートを建てた経験があることから収益不動産に着目し、武蔵コーポレーションを1人で設立した。現在は220人まで社員が増え、関東一円に事業所を広げている。
最近は収益不動産の売買だけでなく、アパートの賃貸管理業務の分野にも注力している。
「賃貸管理はノウハウが高度化し、地主さんが高齢化していることもあり、個人での管理が難しくなったことから、ご依頼を受けることが増えました。相続などで戸建てを手放す方も多いですが、思い入れのある戸建てを壊したくないというニーズもあり、戸建て物件の管理も行っています」と大谷代表は話す。
現在、管理戸数は3万戸を超え、全国賃貸住宅新聞社の管理会社ランキングでは関東管理戸数ナンバーワン(東京除く)に。管理戸数の伸び率も全国1位を獲得している。
収益不動産の市場も追い風の状況にあり、売り上げを伸ばし続けている。また、現在はバブル期に建築された物件が市場に多く出ており、節税や不動産投資のニーズに合うという。
「会社が大きくなり上場の話も頂きましたが、利益第一で会社を大きくしたいというよりは、皆が幸せを感じられる、品格ある会社にしたいという思いが強く、上場は考えていません」
平均年齢27歳の若い会社。家族的な社風を大切に
大谷代表は「社員を家族だと思って接している」と話し、家族的な社風を大切にしている。
そして成果だけを評価するのではなく、挨拶をする、目を見て話す、思いやりを持って接するといった礼儀礼節を重んじている。
「自分の子どもに対して『ちゃんと挨拶しなさい』と言うように、社員の礼儀面の注意をします。それは経営者にとって負担にもなりますが、立派な社会人になってほしいという期待があるからです。そこが経済面だけでつながっている会社とは異なるところです」
同社は「売り手よし・買い手よし・世間よし」の「三方よし」を理念としており、家族的な経営が「三方よし」を実現に導いている。
「社員の幸せ、お客さまの幸せが実現することが会社の利益になり、日本社会にも貢献します。そのためにも社員が自分の家族だったら何をするか、何をしてあげたいと思うか、そんな想像を働かせて社員と向き合っています」
社員が会社に貢献しているという自覚を持てるよう、周年時や管理戸数目標を達成した際にはパーティーを開き、会社全体でお祝いをする文化もある。
また、毎週木曜日の朝には社員全員が東京本社に集まる全体会を開き、大谷代表による情勢に応じた話や、社員による社員の推薦、業務報告が行われているという。
平均年齢が27歳という若い会社だが、気概を持って働いてもらうには、会社の理念や価値観に共感できる人材が求められる。
「7年前から新卒採用を増やしているので、平均年齢が下がってきています。社風や文化を吸収しやすいのはイチから教育できる新卒です。今は6割が新卒で入った社員ですが、将来的には9割を目標にしています」
業界の信頼感を増すリーディングカンパニーへ
今期のテーマは「質の向上」を掲げている。オーナー、入居者、取引業者、社員など、同社に関わる全ての人を幸せにするために、定量的な数値、売り上げだけでなく、日々の業務の細かい部分にも気を配り、企業活動全体を通して質の向上を目指していく。
今後は会社の規模拡大と、不動産投資事業の全国展開を見据えた支店展開も予定している。
「収益不動産業界は歴史がまだ浅く、黎明期ですが、証券会社と同じような道のりを辿るのではないかと思っています。証券会社も設立当初は『株式投資は怪しい』と思われていましたが、今や政府が主導で投資を勧めています。収益不動産への信頼性を高めるにはリーダーが必要ですので、私どもがナンバーワン企業、リーディングカンパニーを目指していきます」
会社概要 設立 2005年12月 資本金 1億円 売上高 250億7,200万円 本社 埼玉県さいたま市 従業員数 220人 事業内容 収益不動産の売買・仲介・賃貸管理 https://www.musashi-corporation.com/ |