経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

モビリティ分野でのエッジAI実現で日本の未来を支える ティーツー・ラボラトリ 丹場展雄

ティーツー・ラボラトリ 代表取締役 丹場展雄

「AIをもっと身近に」をモットーに、大手電機メーカーから独立したエンジニアにより設立されたティーツー・ラボラトリ。エッジAIの分野に注力しつつ、IOTやAI活用に必要なコンピューターボードの設計・開発を手掛け、企業に先端技術を提供している。(雑誌『経済界』2023年5月号「注目企業2023」特集より)

ティーツー・ラボラトリ 代表取締役 丹場展雄

ティーツー・ラボラトリ 代表取締役 丹場展雄 たんば・のぶお

長年、日立製作所でエンジニアとしてLSIの開発に携わり、現在はエッジAIのシステムを独自に研究・開発している丹場展雄代表。

自動車や家電など身近なものにもAIが搭載される時代が到来しているが、パフォーマンスや消費電力など改善すべき課題はまだ多い。

従来のAI処理はクラウドやメインコンピューターにデータを送って処理を行っていたが、エッジAIでは、AI処理を端末で行うため、高速処理が可能になり、通信コストも削減できる。同社が開発中のエッジAIのプラットフォームを活用することで、企業内でイチから開発するよりもコストダウンにつながり、スピーディな導入が実現可能だ。

「従来IoTに対応するシステムを開発していましたが、さらにバージョンアップして、ドローンやロボットなどのオートモビリティのパフォーマンスを上げる技術を、東京都の次世代イノベーション創出プロジェクトに参画して開発中です。それらが動く時に人や物にぶつからない判断などをエッジAIが行いますが、低消費電力で小型・軽量化の技術が求められています」と丹場代表。

同社が試作したデモ機はイーサネットでネットワークにつながり、メインコンピューターに処理結果を送ることができる。一方でネットワークにセキュリティ機能を働かせるには大きな負荷がかかる。

「モビリティ内のネットワークに負荷がかかることでどんなトラブルが起こるかをモニタし、解決策を見つけやすくする次世代モビリティオートパイロット電子プラットフォームを構築中です。デモ機は展示会にも出展していますが、さまざまな業界の方から商談を頂くようになりました。実用化が始まったという感触を得ています」

新しい技術開発で日本を盛り上げるには、人材育成が鍵となる。

「この30年間、日本のものづくりは停滞していた感がぬぐえませんが、優れたモノをつくるためには、新しいチャレンジが必要です。AIの分野には新しいものづくりができる希望があり、ビジネスチャンスも広がります。未来を担う若い人たちと一緒に新しい技術・製品を開発していきます」 

会社概要
設立 2020年4月 
資本金 900万円
本社 東京都立川市 
事業内容 ハードウエア、ソフトウエアの研究開発・設計・製作およびコンサルティング、部品およびソフトウエアの輸入・販売など
https://t2-laboratory.com/