国内のイノベーションを加速し人手不足・ミスマッチをなくすーOne Terrace

One Terraceは、日本の人手不足に対して外国人の活用とテクノロジーの活用で挑む採用支援のプロだ。人手不足が急速に進み、特に地方は打ち手がない状況になっている中、少ないリソースでいかに戦うのか。石中達也代表取締役が今後の採用のあり方を見通す。

ブローカーを通さず外国人の就業を支援

日本で働きたいという外国人は多いが、ブローカーにお金を払って就業する場合、借金を背負って来日するケースが多くなる。

「例えばベトナム人が日本での仕事を希望しても、お互いの情報が少ないため、ブローカーにお金を払って就職を斡旋してもらう人が多いのが現状です。さらに日本で就業後、借金を返すために不当な扱いを受けても我慢せざるを得ないということも起こります。ブローカーを通さずに日本で活躍できる人材採用を支援し、採用企業とのミスマッチをなくすために、双方に情報を提供するのがわれわれの仕事です」と石中代表は語る。

同社では、海外の大学を卒業して日本語を話せる技術者の紹介を主としている。製造業向けに設計や加工、建設業向けには施工管理や設計などの職種で紹介。また、海外在住のＩＴエンジニアのリソースを活用して企業のシステム開発などの体制づくりを支援している。

一方、新型コロナウイルスの影響で、外国人の新規入国が長らく禁止となり、国内の人材不足はますます進んでいる。

「一般企業やＩＴ業界などで活躍する海外の大卒の方々、学業のかたわらコンビニや飲食店、倉庫などでアルバイトをしていた留学生、食品工場、農業・漁業含めて多くの分野で活躍していた技能実習生が入国できなくなり、人材確保はより難しい状況となりました。今後の少子高齢化の動きからも人手不足はますます拡大していきます。将来を見据えて今からノウハウを蓄積しておかなければ、10年後に外国人から選ばれる企業・地域として生き残ることが難しくなります」

コミュニケーションを重視日本語教育もサポート

特にベトナム、ミャンマー、インド、韓国を中心とした外国人採用を支援しているが、課題となるのが日本語のコミュニケーションだ。

「これまで日本語検定が重視されていましたが、仕事の現場では会話を意識した日本語教育が必要とされます。当社ではＩＴ企業での社内の日本語基準の策定やカリキュラム構築の支援、日本語会話力が向上する業界別の日本語教育などを実施しています。個人のレベルに合わせたオンライン授業も行っています。一方、日本語教師が不足しているため、今後は自治体とも連携を進めて日本語教師の育成・確保に動いていきたいと考えています」

採用活動に効果的なＳＮＳの運用もアドバイス

日本で働きたい理系のトップ人材で、かつ日本語が話せる人にターゲットを絞って集客を行っている同社。その実績から、外国人採用のミスマッチをなくし、求職者に企業の魅力を理解してもらえるよう、採用ブランディング、ＳＮＳを含む情報発信や運用もサポートしている。

「新型コロナウイルスの影響で、オンラインを介した地方の学生採用が活発になったこと、また合同説明会などのリアルなイベントがオフラインに切り替わり、インターネット上で知名度のない企業は、以前よりも採用しづらい状況となりました。さらに、多くの業界で理系人材の確保が必要となり、業界の垣根を超えた採用活動が広がっています。その結果、大手・準大手での地方採用もより活発になっており、中小企業での採用がますます難しくなってきています」

その中で、応募者をいかに増やすかという考え方ではなく、インターンシップなどを通じて自社について知ってもらった人を積極的に採用する企業が増えている。母集団の多さよりも自社に合う人にいかに情報を届けるかがこれからは重要だ。

「事業の面白さ、環境の素晴らしさをいかに適切に伝えることができるのか、それを日本だけでなく、海外も含めてどう発信するべきか。これからは自社で無料かつ永久的に、そして自動的に集客と採用ができるタレントプールの仕組みを育てておくことが当たり前になります」

大手人材紹介会社のように広くターゲットを集めるのでなく、絞って集める場合は、広告だけでなく、特にＳＮＳの運用がカギとなる。

「入社したいと思ってもらえるよう、普段からインターネット上でどのような出会いを用意しておくか、上質なカスタマーエクスペリエンスを商品だけでなく、採用でも取り組めるかどうかが大切です。当社では今の時代にふさわしい採用活動をサポートしています」

良い人材を安定的に確保できる仕組みを構築することは、企業活動において決定的に重要となる。

「日本企業にはイノベーションの源泉となる種が多くあります。そこにイノベーションを起こせるだけの人材の確保と、その体制がつくれればきっと新たな一面を切り開けるはず。当社は多くの銀行や大手企業とも業務提携をしてきました。協業をご希望の方はぜひご相談いただければと思います」