不動産活用をワンストップでサポートするアットプレイスは、従来の人工芝の概念を一新する冷却人工芝システム「COOOL TURF」にいち早く注目。圧倒的なスピード感で、世界を視野に入れた展開を目指す。(雑誌『経済界』2022年11月号より)
メンテナンスが楽だという印象がある人工芝だが、導入後に意外な苦労があることは知られていない。真夏は表面温度が70℃近くに上昇し、靴越しでも火傷をする例が多発しているほか、雨天時は滑りやすく危険だ。また、充填材として多用されているゴムチップは環境や人体への悪影響が高く、2023年以降、EUでは使用禁止の方向性を発表する。
杉山理拓代表取締役が、名古屋市中区の屋上競技施設を手掛けた際に出会ったのが、COOOL(福岡県宗像市)の濱口光一郎代表取締役が開発した冷却人工芝システム「COOOL TURF」だ。九州全域はもとより、塩害や高温が原因で芝生が育ちにくい亜熱帯気候の沖縄で幅広く普及している新技術の人工芝で、表面温度を従来品のマイナス20℃ほど下げられるのが特徴だ。
その秘訣は冷却目土充填剤「寒土 KANDO」にある。石灰岩や樹皮などの天然素材を細かく砕いたもので、樹皮が夜露や雨などを吸水し、石灰岩のきはつ効果で冷却。抗菌・殺菌・防臭効果に優れ、身体への衝撃やグリップ力、ボールのバウンド力まで天然芝の環境に限りなく近づくため、地球環境への負担もない。
「あらゆる人工芝と比較しましたが、『COOOL TURF』には驚くほど弱点がない。九州・沖縄へ何度も足を運んで体感しました」
同社は21年10月にCOOOLと代理店契約を、22年7月には業務提携契約を締結し、本州第一号となる名古屋支店を開設。建築・不動産業で関わりの深い造園や土木関連から人材を集めてチームを組成している。
「通過点としてIPOを目指し、世界を視野に入れて国際特許も出願中。まずは一般家庭や幼稚園、温浴施設、ドッグランなどでエンドユーザーに体感してほしいです」と杉本氏は語るが、東海エリアでの認知スピードは予想外に早く、既に複数の大手企業からも打診を受けている。
酷暑にあえぐ日本の夏を足元から救い、温暖化が課題の世界環境にも寄与する新技術の人工芝「COOOL TURF」。さまざまな場所で目にする機会が増えるだろう。
会社概要 設 立 2012年4月 資 本 金 1,000万円 本 社 愛知県名古屋市天白区 事業内容 不動産売買、賃貸、仲介、コンサルティング、管理事業、建築事業、収益物件の企画開発 https://atplace.jp/ |