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クラウドを活用した革新的なマニュアル制作で日本の製造業をサポート ナレッジオンデマンド 宮下知起

ナレッジオンデマンド 代表取締役CEO 宮下知起

グローバルな競争が激化する製造業の現場で、IoTの導入やDX化などによる現場の効率化が進む中、見逃されているのがマニュアル制作に関わるコストだ。ナレッジオンデマンドはここに切り込み、大きな成果を上げている。(雑誌『経済界』2023年5月号「注目企業2023」特集より)

ナレッジオンデマンド 代表取締役CEO 宮下知起
ナレッジオンデマンド 代表取締役CEO 宮下知起 みやした・ともき

大手メーカーがマニュアル制作に費やすコストは年間数十億円から数百億円規模に上るという。また製品を海外に輸出する際に必須となる、ISO/IECといった国際規格への対応も大きな負担になっている。クラウドを活用してこれらのコストを削減するのが、ナレッジオンデマンドが提供する「WikiWorks(ウィキワークス)」だ。

システムエンジニアとしてキャリアをスタートした宮下知起代表は、アスキーでの雑誌編集からフリーライター、IT系メディアのライターなどを経て同社を起業した。当初はその社名通りオンデマンド出版を手掛けていたが、次のステップとしてマニュアル業界に着目。自身が蓄積してきた豊富なIT関連の知識を生かしてサービスをスタートした。

「ブラウザ上でチーム全員がデータを共有しながら作業を進め、翻訳クラウドサービスともシームレスにつながっている、多言語展開も容易なプラットフォームです。中間作業の削減と自動化によって、作業時間を短縮しました」

これまで製造業のマニュアル制作といえば、外注するのが一般的であったが、同社はその内製化をあらためて提案する。

「外部に委託すると、製品開発のスピードにマニュアル制作が追い付かないケースも発生しますが、内製化することで品質とリードタイムのコントロールが可能になります」

こうした機能性が評価され、2021年には「第6回JEITAベンチャー賞」に選出された。

最近は大手自動車メーカーが販売するEVのナビ画面に操作マニュアルを表示する、といった新たな領域も開拓。AIを活用した文章の自動作成に関する研究も進めている。いずれもマニュアル制作とITという両方の知見を有するという強みを生かした事業展開と言えよう。今後は動画機能のさらなる充実やマニュアルレスなどにもチャレンジする。

「日本の製造業は、製品の精密さや精巧さ、きめ細かな仕様などでは海外に比べて大きなアドバンテージがあります。『WikiWorks』で削減した時間とコストを活用し、優れた人材の採用やより良い製品の開発に生かしてほしいですね」 

会社概要
設立 2005年8月
資本金 1億1,982万円
本社 東京都千代田区
従業員数 24人
(2023年2月現在)
事業内容 ソフトウエア製品の開発・販売、出版、マニュアル制作、情報技術・科学技術に関するライティング
https://www.kodnet.co.jp