(雑誌『経済界』2023年9月号 総力特集「人材育成企業2023」より)
「オープン、フランク、イノベーティブな社風」
これはクレディセゾンを一から立ち上げ、現在会長を務める林野宏氏が、創業時から一貫して掲げてきたものだ。
それが浸透したからこそ、セゾンカードは流通系カードの中で発行枚数トップに立っただけでなく、カード稼働率でも存在感を示している。
しかし油断は禁物だ。変化の速い時代、一つのビジネスモデルが通用する期間は短くなり続けている。陳腐化を避けるためには、「社員一人一人が情熱をもってチャレンジを続けるイノベーティブな企業体」(林野氏)であり続けなければならない。そのためクレディセゾンでは人材育成を最重要課題と位置付けてきた。中でも最近、力を注いでいるのがデジタル人材の育成だ。その裏には強い危機感がある。
インターネットとスマートフォンの普及により顧客の購買チャネルが「デジタルシフト」し、 クレディセゾンが強みとしていたリアルチャネルを中心とした決済が鈍化してきた。そこでデジタル人材を育成し、システム開発を内製化することで開発コストを削減するとともに、リアルを融合させたデジタル化の推進や、 デジタル化で得られたデータを活用して、顧客体験と社員体験の変革を目指している。
クレディセゾン流DX戦略(=CSDX戦略)が策定されたのは2年前だが、当時、社内に150人だったデジタル人材は、2024年には1千人に達する見込みだ。このデジタル人材たちが、次代のクレディセゾンを引っ張っていく。