2005年に世界で初めて、59種類の栄養素を持つ微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功し、以来サステナビリティを軸に事業展開するユーグレナは、健康寿命の延伸を支える食品・化粧品などのヘルスケア事業、また使用済みの食用油と微細藻類から抽出された油脂などを原料とするバイオ燃料「サステオ」を製造・開発し、気候変動の解決を目指すバイオ燃料事業に注力する。バイオ燃料の世界的ニーズが高まる中、25年中の商業用プラントの完成を目指し、量産体制を整えて26年には両事業等を合わせて売上高1千億円を視野に入れる。
創業から18年目を迎え、グループ連結で1千人以上の従業員を抱える同社はウェルビーイングにも注力する。出雲充社長は、「日本全国、人手不足の時代にあって、優秀な人材から選ばれる会社になるためには、フィロソフィーやパーパスで経営指針を示し、ウェルビーイングを高めることが重要。人口動態で見ると25年には生産年齢人口約7千万人のうち、2人に1人がミレニアルとZ世代になる。この世代は仕事を通じた社会課題の解決を優先的に考え、自己成長意欲もある。成長機会を提供しなければならない」と語る。
社会課題解決への高い意識を持つのは若手だけではない。会社のポテンシャルを最大化するためには、多様性の確保が欠かせず、採用の門戸を広く開いている。「ユーグレナには、幅広い年齢層、バックボーンのメンバーがいる。年齢関係なく新しいことにチャレンジし続ける起業家精神を持ち、フィロソフィー、パーパスに共感できることが重要」と指摘する。
(雑誌『経済界』2023年12月号「企業改革の実践者たち」特集より)