労働生産性を高める方法は数多くあるが、業務効率化だけに終始しない企業と従業員の関係性の強化は重要だ。リンクアンドモチベーションは従業員の「モチベーション」にスポットを当てる。研究機関による学術的成果を取り入れつつ、社員が会社へのエンゲージメントを最大化しながら成果を上げるための企業変革をサポートする。主力製品「モチベーションクラウド」は329万人以上のデータを基に組織状態を診断し、各組織にとって最善の採用・育成方針を策定できる。
小笹芳央会長は「エンゲージメントが企業業績と相関関係にあることは、慶應義塾大学との共同研究をはじめ、データが示しています。エンゲージメント向上の取り組みの成否は採用時に決まるといっても過言ではありません。いかに共感の接点を創れるかにかかっています。給料や福利厚生だけでなく、理念への共感を含めたマッチングが大事」と語る。働きがいを追求できる環境整備が従業員の成果を引き出す条件であることは間違いないが、特にコミュニケーションへの投資が企業成長の鍵となる、と小笹氏は熱を込める。
「社内イントラや全社イベントなど、企業はコミュニケーション分野に投資すべきです。社員への金銭報酬を前提に、貢献欲求、承認欲求、親和欲求、成長欲求を満たす感情報酬が大切です。これを生むのはコミュニケーションです。金銭報酬は原資の限りがある以上、ゼロサムゲームの宿命にならざるを得ないことに対し、感情報酬は経営者の工夫でいくらでも創り出せます。感情報酬を増やすことで金銭報酬も払えるという好循環を生み出すことができます」
(雑誌『経済界』2023年12月号「企業改革の実践者たち」特集より)