ドーワテクノスは創立75年の産業用電機品商社。製造業の工場の自動化支援や公共工事も手掛ける。2023年夏には自動化支援の新施設もオープン。社会課題を解決する新規事業も推進し、「ものづくりのコンサルティングファーム」を目指す。(雑誌『経済界』「半導体特需に沸く九州特集」2024年1月号より)
戦後間もなく、安川電機が製造するモーターへの部品供給ならびに補修・修理からスタートしたドーワテクノス。その後、産業用電機品を大手鉄鋼メーカー等へ卸す商社として発展。現在は、日本製鉄やJFEスチールなどに安川電機製品をはじめ、自社グループオリジナルのコークス炉用炉蓋などの製品を販売する。また、北九州市向けをはじめとした公共工事のほか、製造業向けに産業用ロボットやAI・ⅠoTソリューションを活用した工場の自動化の設計から組み立てまでを支援する。
部材不足によるサプライチェーンの問題で売上高こそ2022年12月期は一時落ち込んだが、受注高は同12月期に過去最高の170億円となり、23年12月期には受注高・売上高ともに160億円を見込んでいる。堅調な業績を上げている要因として、小野裕和社長は「現場に寄り添い、お客さまの声を聞きながら営業展開している点が大きい」とする。
23年夏には、顧客の工場自動化の設計からライン組み立て、納入前の最終試験までを一貫して自社で行う新施設「TSUNAGU(つなぐ) FACTORY」を本社隣にオープンした。「モノと技術」「ヒトと企業」「イマと未来」をつなぐことをコンセプトに、企業の工場自動化支援に限らず、他社とのオープンイノベーションの場、地域の学生を受け入れるインターンシップの場としても活用する。施設名のロゴデザインも地元の小中高生と大学生から公募し、113件の応募の中から選んだ。
このほか、社会課題解決を目的にした新規事業にも取り組む。19年に、食材を瞬時に凍結させる超高速凍結機「ZERO︲03」を発売。凍結品質の向上のほか、食品ロス削減や、生産性向上による経費削減・働き方改革にもつなげる。22年秋には、小規模植物栽培システム「アグロット」の取り扱いを開始。省スペース、ローコストの新しい農業の形を提案している。これらに加え、医療関連機器の新製品も計画中だ。
「潜在的な社会課題解決のニーズに応え、地域に貢献することが当社の持続性にもつながる」と小野社長。これまでの商社機能に加えて、「ものづくりのコンサルティングファーム」を目指していく。
会社概要 設立 1948年10月 資本金 8,715万円 売上高 126億円 本社 福岡県北九州市八幡西区 従業員数 195人 事業内容 産業用電機品の卸、補修・修理、工場自動化支援、公共工事ほか https://www.dhowa-technos.co.jp/ |