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デジタルマーケティングを駆使したハウステックカンパニーへ進化 瀬口力 LibWork

LibWork 瀬口力

デジタルマーケティングによる独自の集客で同業他社と一線を画すLibWork(リブワーク)。営業利益10倍増を目標にした3カ年の新中期経営計画もスタートした。目指すのは、戸建て住宅のプラットフォーマーだ。(雑誌『経済界』「半導体特需に沸く九州特集」2024年1月号より)

LibWork 瀬口力
LibWork 瀬口力

オウンドメディアの拡充で集客率が急伸

 戸建て住宅の企画・販売会社のリブワーク(東証グロース上場)は他のハウスメーカーとは一線を画したビジネスモデルで成長しており、瀬口力社長は自社を「ハウステックカンパニー」と位置付けている。

 最大の特徴は、デジタルマーケティングを駆使した集客だ。土地探しの「e土地net」、平屋建て住宅を紹介する「e平屋net」、デザインやライフスタイルから選ぶ「e注文住宅net」など、戸建て関連のカテゴリーのポータルサイトを複数運営。ウェブ上で全国から家を建てたい人を集客すると同時に、インサイドセールスによって、近くのモデルハウスへ送客している。これにより、モデルハウスを使った集客に比べて、コストは約10分の1になり、集客数は3割以上多くなるという。

 充実したコンテンツが強みのオウンドメディア(自社メディア)も人気で、同社の顧客が実際に建てた家を紹介するユーチューブの「リブワークチャンネル」は、登録者数が7万人以上、総再生数は約3600万回を超えている。また、家づくりに関する疑問に専門家が答えるウェブメディアの「リブタイムズ」の記事は、「Yahoo!JAPAN」や「スマートニュース」でも見ることができる。これらのウェブ戦略が功を奏し、集客はこの3年間で平均51%増となっている。

ウッドショックを跳ね返し3年連続過去最高売上高に

 集客力と比例するように業績も伸びている。2021年6月期で94億円だった連結売上高は22年6月期で137億円、23年6月期は当初予想を下回ったものの141億円を超え、3年連続で過去最高を更新した。

 ウッドショックによる住宅資材の不足や原材料の高騰などが影響し、営業利益は23年6月期で前期比55%減となるも、「5回にわたる価格改定などが寄与し、足元の利益率は改善している」という。

 柔軟な価格改定やコスト削減効果もあり、今期は連結売上高で前期比19・9%増の170億円、営業利益も前期比約倍増の5億9千万円というⅤ字回復を見込んでいる。

異業種コラボを広げ3Dプリンター住宅開発を推進

 さらなる成長に向けて同社は、今期から3カ年の新中期経営計画「NEXT STAGE 2026」をスタートさせた。最終年度の連結売上高の目標は23年6月期比約倍増の285億円、営業利益は収益性を大幅に改善させることで約10倍に当たる30億円を目指す。

 強気の目標を達成するため瀬口社長は「戸建てプラットフォーマーへ加速化」「戸建て住宅事業におけるエリア・顧客層・販売チャネルの拡大と利益率の改善・拡大」「『家』を再定義する─未来の家をつくる─」の3つを基本方針に掲げる。

 1つ目の「戸建てプラットフォーマーへ加速化」では、工務店向け営業支援ツール「マイホームロボ」の拡販と、住宅業界では初めてとなる「IPライセンス事業」に力を入れる。「マイホームロボ」はAI活用により初期提案が5分で済むのが特徴のツールで、定額料金制で利用できる。最終年度までに累計1550件のアカウント獲得を目指す。

 「IPライセンス事業」では、20代から30代で絶大な人気を誇る「niko and…」と共同で商品開発し、その営業権を全国の住宅会社に提供する。基本デザインなど、その世界観を表現できるのであれば、加盟業者が価格等を自由に設定して受注、建築できる。「マイホームロボ」「IPライセンス事業」のいずれも利益率が5割以上と高いため、最終目標への利益貢献が期待される。

 また2つ目の基本方針である「戸建て住宅事業におけるエリア・顧客層・販売チャネルの拡大と利益率の改善・拡大」では、顧客層の拡大に注力する。前述の「niko and…」の例のように、インパクトが大きい異業種とのコラボレーションで顧客層拡大を狙う。同社はこれまでにも「無印良品」や「Afternoon Tea」とコラボしてきた実績がある。24年4月からは、再春館製薬所、千趣会とコラボし、それらの通販チャネルを活用した住宅販売も開始する予定だ。瀬口社長は「著名ブランドと組んだ住宅は、そのブランドが持つ世界観やコンセプトに共感するファン層を取り込むことができるので、当社にとって新たな顧客層になります」と語る。

 3つ目の基本方針である「『家』を再定義する─未来の家をつくる─」においては、住宅業界を驚かせる画期的な取り組みが進んでいる。英国・ロンドンに本社を置く大手建築設計コンサルティングのARUP(アラップ)社と提携した3Dプリンターハウス「Earth House」の開発だ。山鹿市内で10㎡程度のモデルハウスを近くオープンさせる。また、国内企業にも住宅用3Dプリンターの開発を呼び掛けている。

 「3つの基本方針の下で新中計の目標をクリアできれば、東証プライム市場への〝昇格〟という次のステージが見えてくる」と瀬口社長は意気込んでいる。 

会社概要
設立   1997年8月
資本金  10億1,477万円
売上高  141億8,300万円
本社   熊本県山鹿市
従業員数 332人
事業内容 ウェブマーケティングを特色とした戸建て住宅の企画、施工、販売、不動産関連事業等
https://www.libwork.co.jp/