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SDGsを追い風に地域密着で業績拡大を図る「パソコンのかかりつけ医」 黒木英隆 メディエイター

メディエイター 黒木英隆

メディエイター 黒木英隆
メディエイター 社長 黒木英隆 くろき・ひでたか

パソコンの再生・販売・修理等を行う「パソコン市場」を全国に店舗展開するメディエイター。今年創立20周年を迎えた同社は、激変する経営環境において、これまで培ってきたPC再生技術を地域密着型の事業で加速、さらなる飛躍を誓う。

 「資源を大切にする再生事業を展開して良かった。サステナブルな社会に貢献できる企業として成長を続けたい」と笑顔で語る黒木社長。その言葉からは、独自の技術とノウハウで中古パソコンを蘇らせるリユース業に長年取り組んできたという自負がのぞく。

 創業前、公民館で高齢者向けのパソコン講習会を開催した際、「そのパソコンを安く売ってくれないか」という出席者の言葉がヒントになり、ユーザーが求める性能・商品を低価格で提供するビジネスを思い付く。

 「本心から『ありがとう』の言葉を頂ける喜びも大きかった。販売も修理もサポートも大切にするという姿勢もお客さまに教えていただいた」

 同社で販売するパソコンは年間7万~10万台。長年培った信用で企業向けリース会社などから安く仕入れ、新製品の価格の3割程度で販売する。例えば「一般的な新品の寿命は5~7年ですが、ハードディスクを交換すれば同程度の使用延長は可能です。目指すのは、『パソコンのかかりつけ医』。5万人程度の商圏に1人を配置し、販売だけでなくお客さまの疑問や要望に寄り添い解決する。できません、ありません、分かりませんは禁句です。現状維持の言い訳にすぎません」

 業界ではWindows10のサポートが終了を迎える2025年問題に関心が集まる。「性能の低いパソコンはWindows11にアップデートできないと言われています。その解決策として、最新の環境を保ちつつ、買い替えなどのコストも抑えたい方にグーグルの『Chrome OS Flex』を提案しています。WindowsやMacのデバイスで動作する新世代のOSです」

 10億台を超えるデバイスに利用されているWindows10に比べて知名度こそ低いが、「Chrome OS Flex」を導入することで、既存端末の継続活用や廃棄コスト削減といった環境配慮、快適な動作やセキュリティ向上、デバイスの一元管理等が容易になるという。

 「この取り組みを本格化し、そして広めたい。デジタルトランスフォーメーション戦略にも寄与し、コストや使い勝手の両面から中小企業の大きな武器になるはずです」 

会社概要
設立   2003年8月
資本金  5,000万円
売上高  23億2,000万円
経常利益 2億9,000万円(過去3年平均)
本社   福岡県福岡市中央区
従業員数 87人
事業内容 パソコンの再生販売
https://www.mediator.co.jp