これまで書籍を14冊出版し、「伝わる話し方」のプロとして知られる、モチベーション&コミュニケーションの桐生稔代表取締役。年間2千回開催する「今すぐ受けられる」セミナーが好評で、若年層のコミュニケーションの悩みに寄り添っている。(雑誌『経済界』2024年9月号「総力特集 人材育成企業2024」より)
新卒で人材派遣会社に入社したが、会話が苦手で、営業成績は最下位だったという桐生代表。そこから話し方とコミュニケーションの研究を重ね、売上達成率ナンバーワンを獲得するまでになった。
「能力はあるのに、話すことが苦手なために仕事や人間関係がうまくいかない人が多いことに気づき、コミュニケーションを専門にしたビジネススクールを立ち上げました」
順調に業績を伸ばしてきたが、コロナ禍では危機的状況に。
「それまで月に150回以上、対面でセミナーを行ってきましたが、コロナ禍でセミナーは全て中止となり、売り上げがほぼ0に。その後、オンラインセミナーに切り替えて持ち直し、今は対面とオンラインが半々になりました」
コロナ禍に発売した著書『雑談の一流、二流、三流』(明日香出版社)は13万部のベストセラーとなった。
セミナー受講者は20~30代が中心。朝礼のスピーチや会議での発言ができないと悩む人も多く、「出来事、学び、行動をセットで話す」具体的な指導で人気を博している。
「年間2千回のセミナーを全国で開催しており、1回3千円でオンライン参加もできます。今すぐ話し方を学べて、お悩みが深い方にはマンツーマン指導もあります。企業研修も多数実施しています」
部下のやる気を高めるにはリーダーの伝え方にも工夫が必要だ。
「『もっと意欲的に取り組め』と言われても部下はピンときません。われわれは『意欲的』を言語化し、具体的なアクションに落とし込み、自らの考えで動く自立した人材を育成することを得意としています」
現在は全国に100人の講師がいるがもっと数が必要だという。
「江戸時代は人口3千万人で、6万カ所の寺子屋があったと言われています。寺子屋では読み書き・そろばんの習得が主流でしたが、今はコミュニケーションの習得が必要。われわれはコミュニケーションを学ぶ寺子屋を全国につくるべく日々邁進しています。日本の人口は約1億2500万人なので、江戸時代の寺子屋規模ならば、25万人の講師が必要。それに向けて日々教育事業の改革に突き進んでいます」
会社概要 設立 2017年4月 資本金 1,000万円 本社 東京都新宿区 事業内容 コミュニケーションに関する企業研修、全国セミナー運営、コーチング・カウンセリング事業、書籍・DVD・動画によるコンテンツ事業 https://www.motivation-communication.com/ |