経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

経営の極意 失敗のとらえ方で9割が決まる。

経営の極意① 失敗で自らを閉ざすか笑い飛ばすか

 だれだって失敗は好きじゃない。失敗するより成功したほうがいい。だがほかならぬ「経営者」なら、失敗に尻込みしていたら話にならない。

 ということは分かっているのだが、世の中には一度失敗を経験すると、それがトラウマになってしまう経営者が多い。彼らは将来が怖くなり、物事を悲観的に考えてしまう。

 従業員に裏切られた、取引先にお金を持ち逃げされた、そのような経験をすると、また裏切られるのではないかと恐怖がつきまとう。

 そのため、新しい出会いに臆病になるし、従業員をコストを掛けて育てようという気概もなくなってしまうのだ。

 しかし、このようなメンタリティーでは大きく稼ぐことはできない。有力者からも評価されない。こうなると、従業員を育てることも、有力者と出会う機会も自ら閉ざしてしまっているのであるから、ジリ貧になって落ちぶれていく運命をたどるしかない。

 これは、ベクトルが過去に向いてしまって、未来を展望することができなくなっているとも言える状況だ。

 しかし一方で、逆境を糧にして楽観的に将来を見据える経営者がいる。私がお付き合いしている、年収1億円を超える経営者の中には、数億円を騙されたという経験がある人もいるが、それを笑い飛ばしている。

経営の極意② 失敗のケーススタディーを見抜く

 優れた経営者は、連勝などということは考えない。1勝9敗でいいと考えている。その1勝で天下を取るのだ。例外なく未来へ進むエネルギーを持っている方ばかりである。

 彼らは、挫折を「ビジネスの勉強代」ととらえ、未来の経営に生かすというメンタリティーを持っているのである。

 実は、挫折で得ることは、とてつもなく大きく、逆境で覚えることは多い。

 例えば「直感が働く」という経営者がいる。これは、私の周りにいる、とてつもなく稼ぐ経営者の共通点である。

 別に彼らが霊感が強いといったことを意味しているのではなく、数多くの失敗、多くの詐欺師への遭遇、といった経験の積み重ねから生まれるものなのである。

 だから「こいつはあのときの詐欺師と同じことを言っているな」「以前、こういう甘言に乗せられて痛い目にあった」と即座に思い出し、失敗のケーススタディーができているために、目の前の人間が本物か偽物かを瞬時に言い当てることができるのだ。

 「こんなうまい話はあり得ない」ということも、直感で判断できるのである。

経営の極意③ 失敗を勉強代と考え経営に生かす気構え

 アパマンショップの創業者の高橋誠一相談役は、バブル崩壊で同業の不動産業者が大きな損失を受ける中、順調に成長を続けてきた。それは、「土地の値段がこんなに上がるわけがない」と、バブル崩壊前に直感で感じ、売却を進めていたからだと言う。

 挫折を経験しながらそれを乗り越えた人は、周りが見ている。「あの経営者は挫折を糧に成長し続けている」という声が、有力者の耳にも自然と届くようになっているものだ。世の中とはそういうものだ。

 有力者こそ、感度の良い耳を持っている人種なのだ。なぜなら、優秀な人間を商売のパートナーにしたいと常に考えているからである。

 「人の縁」や「出会い」というと、つかみどころのない話に聞こえるが、実は、日々の行動や対応が、年収1億円を切り開くチャンスにつながっているわけなのである。

 とてつもなく稼ぐ人は失敗を糧に成長し、それを認めた有力者と出会い、引き上げてもらっている。その出発点は、失敗をビジネスの勉強代ととらえ、未来の経営に生かす気構えがあるかどうかだ。その一点にかかっている。

[今号の流儀]

逆境を糧にして、楽観的に将来を見据える人間が結局は勝つ。

 
経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan
 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界ウェブトップへ戻る