海外資本の銀行が活発な活動を展開するカンボジアで、Asia Pacific Finance Plcは日系企業ならではの良さを生かしながら現地に密着した事業展開で業績を伸ばしている。
アジアでも屈指の7%という高い経済成長率を維持し、日系企業の進出も相次ぐカンボジアで、個人・法人向けのマイクロファイナンス事業を展開するのがAsia Pacific Finance Plcだ。チェアマンの中澤和則氏は「2015年12月にカンボジア中央銀行よりライセンスを付与されて事業をスタートしました。日本でいう商工ローンに近いポジションですが、一般の個人向けに比較的少額な融資を手掛けています」と語る。
新興国だけに貸し倒れリスクなども気になるところだが、基本は土地を担保にしながら厳しい審査も実施していることもあって、これまでのところ事故率はゼロであるという。
開業1年ですでに3店舗と事業は着実に拡大しているが、今後はカンボジア全土の主要都市へ多店舗展開を加速する。地元資本も含めて多くの企業が競合するが、日系企業ならではのきめ細かなサービスで他社との差別化を図っていく。
「農業も盛んなカンボジアでは、土地を担保に農機具を購入したいというニーズが多いので、人気が高い日本製農機具の中古品輸入なども手掛けていきます」
孤児院への金銭的・物質的支援やプノンペン市内での定期的な清掃活動など、地元に溶け込みながらさらに次のステージを目指している。
「今後も高い経済成長率が見込めるカンボジアでは、融資や資金調達のニーズがますます高まっていくはず。10年後を目標に、商業銀行へとステップアップしたいですね」
さまざまな資金ニーズに応えるため、融資商品の拡充も順次行っていくという同社。アセアンの活力を源泉に、さらなる成長が期待される。
Asia Pacific Finance Plc
- 設立/2015年9月
- 資本金/120万USドル
- 事業内容/マイクロファイナンス事業
- 会社ホームページ/http://www.apf-mfi.com