個人情報保護法改定に代表されるグローバルなデータプライバシー規制強化が進む中、Massive Act(マッシブ・アクト)はDX支援・デジタルマーケティング支援を通じて情報資産を活用し、事業成長のための支援を行っている。高萩遼介代表に話を聞いた。(雑誌『経済界』2024年2月号「テック企業特集」より)
プロモーションと顧客獲得後のCRM領域まで一気通貫で支援
広告ビジネスを起点とする同社はダイレクトレスポンスマーケティングに強みを持ち、費用対効果視点の支援、データ統合やCRM、DXプロジェクトの全体マネジメントまで、事業分野は幅広い。
ここ3年で急成長を遂げており、2022年には「Financial Times」が発表している「アジア太平洋地域における急成長企業ランキング-Advertising&Marketing部門-」でアジア3位、日本では1位に輝いた。23年1月には経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定やPマークも取得している。
「各企業はDX推進人材の獲得や教育が急務であり、運用・実行フェーズにおいてもプロモーション視点を持つ必要性や、精緻なPDCA視点、高度なデータ分析・アナリティクス能力が今後必要となってきます。顧客データやマーケティングデータをより深く理解し、顧客中心のアプローチを取りながらも、各種規制を遵守した透明性のあるデータ管理と活用をすることが、DXでの成功を決定づけることになると考えています」と高萩代表は話す。
プロモーションからDX、CRMまで横断的に一気通貫で支援できるのが同社の特徴であり、代表的なDXサービスが「INTEGRATION」だ。DXプロジェクトやデジタルマーケティング変革において、どのフェーズでも伴走支援が可能なEnd to Endのコンサルティングソリューションを企業に提供している。
「DXと一括りにされがちですが、顧客データ統合、0PartyDataの広告活用、M&A後のPMIによる異種サービスID統合、CRMデータ整備・分析、データ活用の基盤構築からマーケティングへの活用など内容は多岐にわたります。通常、各フェーズに対してKGIや進行方法、関係者が異なるケースが多いのですが、弊社ではどのフェーズからでも専門チームを組成し、プロジェクト推進のために必要なリソースと運用を提供し、実効性を最大限高めることが可能です」
規模にかかわらず、社内外の関係部署・スタッフが多くなりがちなDXプロジェクトでは、情報が多様化してコミュニケーションギャップが生じることが多い。そのため稼働時期・人によるプロジェクト品質の不均質性、物理的な進行リソース・推進レベルの不足など課題が山積みだ。
「INTEGRATIONでは、DXやマーケティングなどさまざまな局面を経験してきた各業界出身コンサルタントのナレッジを集積し、最適な体制をもって臨みます」
データ統合プロジェクトのアドバイザリーボードやデジタルマーケティング変革支援など、DXプロジェクトにおけるさまざまなフェーズでの支援実績があり、クライアントは、D2C、SaaS、人材、不動産、メディアなど多業種にわたる。
「DXプロジェクトに精通したプロフェッショナル人材が集う弊社は、提案力と実行力が強みです。小規模だからこそ推進体制の無駄をなくし、デリバリーの品質でご評価をいただいております」
クライアント満足度は従業員満足度に比例する
同社は東京都や港区のワークライフバランス推進企業に認定されており、女性の活躍度が高いことでも知られる。
「コンサルビジネスの場合、提案・分析・推進業務の対応のため労働時間が肥大化しがちです。従業員のストレスが大きくなると、サービスレベルの低下につながります。クライアント満足度は従業員満足度に比例すると考えているため、メンバードリブンな経営の推進、働きやすい環境の整備には特に力を入れています」
同社は、「変革の起点を創る」というミッションの下、社会貢献価値を高めていくことを重要視する。貧困や子どもの福祉、災害復興といった課題解決のための寄付も行う。
「自社、顧客企業の生産性向上ならびに全ての事業活動を通じて、より良い社会・持続可能な社会の実現への貢献を目指しています」
今後はこれまでのプロジェクト知見をデータ化し、それを基にAIで無料診断サポート・プロジェクトのヘルスチェックができるようなサービスも計画しているという。
「デジタルの持つ事業への影響力を最大限に活用し、未来社会を創造する存在になるべく、果敢に動いていきます」
会社概要 設 立 2017年2月 資 本 金 1,500万円 本 社 東京都港区 事業内容 デジタルマーケティング支援、DX導入/コンサルティング/アドバイザリー、グロースマーケティング、マーケティングオペレーション構築支援 https://massive-act.com/ |