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国民総プログラマー時代へ 新たなPython試験で次世代リーダー育成に貢献 吉政忠志 Pythonエンジニア育成推進協会 

Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事 吉政 忠志

年間2万人が受験するプログラミング言語試験のPython試験およびデータ分析試験。この検定を実施する一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会の吉政忠志代表理事は、「プログラミングの習得は次世代リーダーへの近道」と言う。その理由を聞いた。(雑誌『経済界』2025年9月号より)

Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事 吉政 忠志
Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事 吉政 忠志 
よしまさ ただし

「次世代のリーダーには本質を見極めた上で、短時間で一気に実現できる力が不可欠だ」

そう話す吉政忠志氏は、IT企業での勤務を経て起業、2016年にPythonエンジニア育成推進協会を設立した。さらに、24年からWordPress向けサーバOS、KUSANAGIを提供するスタンダード市場上場企業、プライム・ストラテジーの代表取締役も務めている。これまでもHRについてコラムの執筆、熱意ある若者との会食を通じて、多方面から次世代リーダーの育成に向き合ってきた。

吉政氏の持論は、「プログラミングを知ることが、次世代リーダーとしての資質を身に付けるための近道」というもの。なぜか。

「プログラミングを知ることは新しく思考回路を増やすことと同義だと考えている。思考回路が増えれば、自分とは違う考え方の人も理解できる。また、ITに強いことは今後前提となる。それがリーダーとしての能力の底上げにつながります」

同団体が提供するPython試験およびデータ分析試験の受験者数は年間2万人に上る。受験者は学生から経営者まで幅広く、県によっては行政が受験料を負担するケースも。AIやDXといった時代の追い風もさることながら、これほど人気がある要因の一つに、吉政氏が仕掛けたマーケティング戦略がある。

教科書は既存の書籍を使用し、オープンβ試験を実施。そこからフィードバックを得ることで、最小コストで問題の精度を上げるとともに、価値ある試験をつくり上げてきた。

同認定試験は企業のリスキリングの手段としても人気を博している。試験を通して社内にIT人材が増えるだけでなく、人的資本に対する投資という意味でも、会社のイメージ向上に大きな効果がある。

「プログラミングに関心が高まり続ける世の中だからこそ、今後はリーダーこそがITを知る必要がある」と指摘する。その上で「われわれの試験が広まることで、国民のITリテラシー向上が図られると同時に、日本の次世代リーダーの育成につながります」。

国民総プログラマーの時代は確実に近づいている。 

会社概要
設立●2016年6月
本社●東京都世田谷区
事業内容●Python試験やデータ分析試験の運営と実施
https://www.pythonic-exam.com/