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不正融資が発覚した商工中金をめぐる「闇」―経済産業省

霞が関番記者レポート

ほぼ全店で不正融資が発覚した商工中金

 国の制度を悪用した不正融資が発覚した商工中金に対し、同社のガバナンス(企業統治)改革などを検討する経済産業省の有識者会議が開かれた。

 経産省は会議の結論を元に、軟着陸の改革に結びつけたい構え。ただ、全国のほぼ全店で横行していた不正融資問題が、このまま幕引きとなるかは不透明だ。

 「政策金融を使い過ぎると薬漬けになる」

 11月17日に開催された有識者会議の初会合では委員からは不正の温床になった危機対応融資の見直し、大幅な事業縮小を求める声が相次いだ。

 民業補完を掲げるはずの商工中金は、公的制度を乱用し、民間との競争で優位に立ってきた。444人が書類を改ざんし、ほぼ全店の97店で、4609件2646億円分もの不正融資が行われていた。

 12月1日の第2回会合では、地方銀行でつくる全国地方銀行協会(地銀協)が、会員64行を対象に実施した調査結果を公表した。

 政府系金融による民業圧迫とみられる事例が424件確認されたと指摘。うち商工中金が約3割程度だったとした。

 地銀協は「税金による補助がある制度融資を活用する政府系金融に太刀打ちできない」と訴えた。

 委員からは制度融資について「民間に任せるよう改めるべき」とする意見が相次いだ。

 一方、会議に参加した中小企業の組合などでつくる団体の関係者は「民業補完という機能まで否定されるのは困る」と述べた。

 有識者会議は大和総研の川村雄介副理事長が座長を務め、研究者や企業経営者らで構成する。大規模災害や金融危機で業績が悪化した企業の資金繰りを国が支援する公的制度の危機対応融資は危機認定や国の利子補給の在り方を議論されるが、4千件以上ある不正融資について、個々の問題点を精査するのは不可能だ。

 営業現場に対して、どのような不当な圧力があったのか、また、反社会的勢力の関与がなかったかなど、商工中金をめぐる“闇”に踏み込むのは難しい。

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