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医療機器販売会社の大連合を加速させ、地域医療への貢献を目指す――池谷保彦(メディアスホールディングス代表取締役社長)

メディアスホールディングス代表取締役社長 池谷保彦氏

消耗品から最先端医療機器まで、30万種以上の医療機器を全国の病院に販売しているメディアスグループ。メディアスホールディングスは純粋持ち株会社として2009年に発足。昨年、福井県に本社を置くミタスのグループ入りが決まるなど、事業基盤の拡大が続いている。

コスト削減と効率化で病院経営をサポート

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池谷保彦社長(右から2人目)と、グループを支える主要企業のトップ。左から協和医科器械・柴田英治社長、ミタス・宮地修平社長。右端は栗原医療器械店・栗原勝社長

 「地域医療への貢献」を理念に、医療機器販売のほか、病院内物流の効率化などをはじめとする多様なビジネスを展開しているメディアスグループ。近年では医療の分野のみならず介護分野へも積極的に進出している。

 協和医科器械(本社・静岡県静岡市)と栗原医療器械店(本社・群馬県太田市)の2社が経営統合して誕生した同グループは、現在9社の事業会社から構成されている。メディアスホールディングスの池谷保彦社長は次のように語る。

 「病院経営は現在厳しい状況におかれています。医療業界では2025年問題ともいわれていますが、このままいけば膨大な医療費負担によって医療保険制度そのものが破綻してしまう懸念もあります。メディアスグループは、このような厳しい中でこそ医療機器をローコストで病院に提供し、患者さまが安心して治療を受けられるような環境を創り出すことを目標にしています。一番大事なのは患者さまのために何ができるか。われわれは患者さまを家族だと思って仕事をしております」

 病院経営に厳しい局面が続く中、医療機器の販売会社も競争がし烈になっている。近年は病院が販売会社を通さずに直接取引する動きも見え始めた。そこで同社では、ロジスティクス、サービス、ソリューションの3つをキーワードに業界に先駆けて最高かつ最適な医療環境の創造に努めている。

 ロジスティクスとは、必要な商品を確実、迅速に供給する物流網の構築と、正確な需要見通しに基づいた在庫管理にある。天災が多い日本では、災害のたびに医療機器の配送が滞る事態が起きるが、先の東日本大震災の教訓からBCP(事業継続計画)を立案して首都圏物流センターを整備するなど安心、安全な物流網を構築。またサービスでは、医師とのコミュニケーションを円滑にするため、スタッフの教育、研修を充実させている。今、この瞬間にも医療技術や医療機器は進歩を続けている。医療機器販売を主たるビジネスとするメディアスグループの社員は、常にその進歩を先取りする変革の速度を上げることが求められている。

 ソリューションにおいて、同社が最も注力しているのがSPD(サプライ・プロセッシング・ディストリビューション)という病院内物流管理システムだ。大病院は常に高額の在庫を抱えているが、使用せずに廃棄されてしまうものが5%ほど出るという。

 「SPDは使用したものだけに請求が発生するので、余分なコストがかからない。“富山の薬売り”と似たシステムです。当社だけで院内物流、購買の全てを担当する一括型SPDを利用してもらえば、効率化が図れると同時に大幅なコスト削減ができます」(池谷社長)

北陸の雄ミタスが満を持してグループ入り

 さて積極的にM&Aを行ってきた同グループに、新しくミタスが仲間入りすることが決定した。これまでは東海の協和医科器械、関東の栗原医療器械店を中核に、東海から東日本を地盤としてきたが、ミタスは福井県に本社を置き、北陸3県を主な商圏とする北陸最大級の医療機器販売会社である。ミタスの宮地修平社長は今回の決断について次のように語る。

 「メディアスグループの中核2社は、それぞれが単独でも日本一を狙えるような会社であり、以前から大変興味がありました。福井県は人口が減り、今後の成長マーケットではありません。また県内には似たような規模の同業者が3社もあり、常に厳しい戦いがあります。当社はここで70年間頑張ってきましたが、将来を見据え次の一手をどうするかをいつも考えていました。業界再編が起こり、10年以内にどこかのグループに入るならメディアスグループしかないと思っており、そのタイミングが今だったのです。M&Aは結婚と同じで考え方、感覚、相性が合わないと一緒になれません。このチャンスを活かそうと思いました」

 池谷社長は「地域に根差して成長してきた会社の優れた部分は残しながら、グループのシステムを共有し、規模拡大のスケールメリットでコストダウンを可能にしていきます。単純な統合とは違うハイブリットなシナジーを出していきます」とミタスのグループ入りを歓迎する。

 医療機器販売業界は、今後大きな成長が見込めない中で合従連衡は避けられない。現在、全国に千数百社あるが、近い将来には10分の1前後に再編が進むとの観測もある。その時に勝ち組となるために、効果的なシナジーを生む再編は重要な経営の選択肢になるはずだ。

 「先を見越して今のうちに決断するしかありません。北陸で勝ち残るにはメディアスグループのバックアップが絶対に必要です」(宮地社長)

 医療機器業界の市場規模は3兆円で、同グループのシェアは6%程度。「われわれの業界は未上場のオーナー系が多いのでM&Aは非常に難しいです。しかしながら、理念が合致する会社には今後も積極的にご提案していきたいと思います」 (池谷社長)

 既存事業の革新と地域の有力企業との経営統合で、業界再編をリードするメディアスグループの戦いはこれからが本番だ。

 

メディアスホールディングス株式会社

  • 設立/2009年7月
  • 資本金/12億8527万円
  • 売上高/1626億5400万円(2017年6月期)
  • 従業員数/1413人(連結)
  • 事業内容/グループの医療機器販売会社の経営管理およびそれに付帯する業務
  • 所在地/東京都中央区
  • 会社ホームページ/https://www.medius.co.jp/

 
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