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常識や周囲の目にとらわれない視点が右肩下がりの業種での大成功を生んだ――桝村健右(Best Delight Group代表取締役)

Best Delight Group代表取締役 桝村健右氏

右肩下がりの業種であっても、やり方ひとつで大きな成功、成長を成し遂げることができる。それを証明してみせたのが、Best Delight Groupの桝村健右社長だ。彼の取り組みには、同業だけでなく異業種にとっても大きなヒントが詰まっている。

新しい手法が次々と成功を呼び込む

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株式会社Best Delight Group代表取締役 桝村健右(ますむら・けんすけ)

 レジャーホテルという業態を色眼鏡で見る人は少なくないかもしれない。事業として見ても業界全体が1990年代後半から右肩下がりで、これから先の展望も見いだしにくい。ところが、15年ほど前に十分に伸びしろがあり、チャレンジしがいがある業態だと考えた1人の大学生がいた。その理由は、レジャーホテルの部屋はどんなホテルよりも広く、設備は豪華なのに料金は格安だから。これはレジャーホテルに対する固定観念が生み出している現象で、その固定観念を覆すことさえできれば、大きなビジネスになると考えたのだ。大学を卒業した彼は、外資系の大手会計コンサルティングファームに入社する。いくつかのビッグプロジェクトにも参画してビジネスセンスを身に付けた彼が、3年間のサラリーマン生活を経て会社を辞め、念願のレジャーホテル事業に乗り出したのは2008年。現在では「Best Delight HOTEL&SPA」グループ全27店舗を束ねている桝村健右社長がその人だ。

 「起業した当時も現在もそうですが、この業界には何かを変革しようとする経営者がほとんどいません。私のスタートは、買収した京都府福知山市のロードサイドにある小さなホテルでした。自らリニューアルを手掛け、アメニティーも当時の人気アイテムを網羅する充実した品揃えを用意しました。また、当時は全く考えられていなかったクーポン券を発行するなど、これまでのレジャーホテルには絶対にない新しいサービスを次々と取り入れた結果、半年後には単月の黒字化に成功し、あっという間にエリアナンバーワンのレジャーホテルに成長したのです」

 1軒目の成功は金融機関の信用も得ることとなった。2軒目は金融機関からの紹介物件だったそうだ。紹介されたのは、大阪市桜ノ宮にある半ば不良債権化していたホテルだったが、1軒目同様に飛び抜けたサービスを投入することで見事に立て直しに成功した。自らの考えが正しかったことを証明した桝村社長は、ここまでで得たノウハウを水平展開し、その後も毎年のように新しいホテルを立ち上げ、現在は売上高30億円に達するグループに成長させた。

 自らを業界の異端児と称する桝村社長は、ほかでは絶対にやっていないハードとソフトに徹底的にこだわっている。ホテルを改装する際には設計事務所に丸投げするのが一般的という業界の中で、壁紙一つから自分で選ぶ。そんなホテルの中には、2メートルのサメが泳ぐ水槽や、ゴルフシミュレーター、ビリヤード台などが置かれている。どんなホテルにもない設備を用意する、それが彼のポリシーだ。それは従来のレジャーホテルでは考えられない共用スペースを設けるところまで広がった。共用スパや共用ダーツ場、バリエステサロンの併設など、『るるぶ』や『anan』にも取り上げられるほどの、レジャーホテルとは思えない設備にリピーターが続出しているそうだ。

駅前1等地にチャレンジし業界全体を変革していく

 そんな桝村社長の次なるチャレンジは、新しい業態である「ビジラブホテル」の立ち上げだ。駅前の1等地にあるビジネスホテルを買収し、ビジネスユース、カップルユースだけでなくあらゆる客層のニーズに応えられるホテルを目指している。

 「ラブホテル街にあると、どうしても一般のお客さまは入りづらくなります。どれほど素晴らしい設備を備えていても、体験していただくことが難しくなってしまう。駅前にあれば、誰でも何時でも気軽に訪れてもらうことができます。全ての大人が楽しめる空間づくり、それが私の目指すところです」

 Best Delightグループのホテルは、フードメニューも充実している。グランドメニューは、一流レストランに勤務経験のあるシェフを招き開発したものだ。その味は、専業のレストランにも引けを取らないおいしさで、顧客からも大好評だという。

 また、接客にも心を砕いている。現在でもスタッフ全員が制服を着用しているのは当たり前で、サービスパーソンとしての社員教育を徹底して行っているそうだ。

 「どこにもない設備、おいしい料理、しっかりとしたサービスがあれば、お客さまは必ず集まります」

 駅前立地であれば、パーティーや女子会などの多人数用途としても使いやすく、新しいエンターテインメントスペースとしてのニーズを掘り起こすことも可能になるだろう。

 ここまでで、次のステップに進むための足場固めはできた。確かな勝算をもとに、今年から「ビジラブホテル」へのチャレンジを始めたいと桝村社長は熱い想いを語る。

 「今後は、首都圏を中心とする関東地区にも本格的に進出していきたいと考えています。レジャーホテルには時間帯規制があるテレビ広告も自由に出せるようになりますし、金融機関の融資条件も緩和される。『ビジラブホテル』が事業の好循環を生み出すエンジンになると確信しています」

 次々と行動を起こす桝村社長の動機には、変わろうとしない業界に対するいら立ちも少なからず含まれているようだ。しかし、桝村社長は「ビジラブホテル」が成功すれば、業界全体が少し変わるのではないかという期待感も持っている。

 「個々の取り組みの成果は第三者には見えにくい。でも新しい業態として成功すれば、追従してくる人が出てくると信じています」と、業界全体の大きな変革を目指す桝村社長は笑顔で締めくくった。

 

株式会社Best Delight Group

  • 設立/2008年
  • 資本金/1000万円
  • 売上高/30億円
  • 従業員数/約500人(グループ全体、パート・アルバイト含む)
  • 事業内容/ホテル経営・運営およびコンサルティング業、不動産売買・仲介およびコンサルティング業
  • 所在地/大阪市都島区
  • 会社ホームページ/http://best-delight.com

 
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