広告掲載
経営者に愛読される雑誌に記事を掲載しませんか?

SBIグループの運用力を強みに グローバルな資産運用体制の拡充を図る(朝倉智也・SBIグローバルアセットマネジメント社長兼CEO)

SBIグローバルアセットマネジメント社長兼CEO 朝倉智也氏

SBIグループは2015年にSBIグローバルアセットマネジメントを発足させ、資産運用体制の強化に向けたグループ内の再編を実施した。SBIグループの卓越した運用力を生かし、グローバル規模のM&Aや合弁会社の設立、また地域金融機関との連携を通じて、資産運用体制のさらなる拡充を図る。 〔聞き手/大澤義幸、撮影/市川文雄〕

朝倉智也・SBIグローバルアセットマネジメント社長兼CEOプロフィール

朝倉智也・SBIグローバルアセットマネジメント社長

(あさくら・ともや)1966年生まれ。89年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社を経て、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年ソフトバンク財務部にて資金調達・資金運用全般を担当。98年モーニングスター設立に参画し、2004年代表取締役就任。SBIグループの資産運用事業の管掌役員を務める。

SBIグループの資産運用事業戦略

投資家主権の確立を目指す資産運用サービスを提供

── 朝倉社長は長年、日本で個人投資家向けの資産運用サービスに携わられています。日本でモーニングスターを設立し投資信託の評価・格付けなど投資情報を発信してきた意義は大きかったと思いますが、振り返ってみていかがですか?

朝倉 モーニングスターの設立は日本版金融ビッグバンにより規制緩和が推し進められていた時期の1998年3月に遡ります。同年12月には金融システム改革法が施行され、銀行で投資信託の窓口販売が可能になりました。

 しかし当時の日本では投資信託の認知度は極めて低く、それらを評価・格付けする会社も存在していませんでした。そこで欧米で個人投資家に評価会社としてブランドが認知されている米国のモーニングスターと組み、ソフトバンク・ファイナンスとの間で合弁会社を設立したのです。豊富で偏りのない金融商品の情報を様々な媒体を利用して積極的に発信し、対象の金融商品も投資信託に始まり、株式、ETFと地道に広げてきました。

 設立当初から、北尾の教えでもある「自我作古」の考えの下、日本発のオリジナルな商品やサービスを日本の投資家に積極的に提供してきました。近年では他国のモーニングスターに先駆けて、投資アドバイザーが活用するタブレット端末向けの情報アプリを提供するなど、日本市場に合った新しいサービスを提供してきたことで、多くの投資家に受け入れられたと思います。

―― 現在のモーニングスターのSBIグループ内での立ち位置は?

朝倉 我々は一評価機関として個別の投資信託を単に分析・評価するだけではなく、一人一人の個人投資家が適切な資産運用ができるための投資教育や投資アドバイスを行い、「投資家主権の確立」に尽力してきました。SBIグループで投資信託の販売を行っているSBI証券、住信SBIネット銀行、SBIマネープラザのお客さまには、的確な運用をサポートする様々なデータや運用シミュレーションツールなどを提供しています。

 中立的な立場を明確にする狙いとブランド価値の向上を目的に、SBIグループの中でもいち早く2000年6月に大阪証券取引所ナスダックジャパン(現東証JASDAQスタンダード市場)に上場し、個人投資家および機関投資家や、投資アドバイザーの方々に情報提供を行い、今では資産運用業界の中心的な存在に成長しました。評価会社としてのブランドを一層高めることで、SBIグループのお客さまにも貢献できると考えています。

朝倉智也・SBIグローバルアセットマネジメント社長

「投資家主権の確立」に尽力してきたと語る朝倉智也・SBIグローバルアセットマネジメント社長

M&Aと合弁会社等を通じグローバル運用体制を拡大

―― 現在SBIグループが注力している資産運用事業のグループ戦略について伺います。まず15年に資産運用サービス事業の中間持株会社としてSBIグローバルアセットマネジメントを設立されています。この意図と役割は?

朝倉 グループ内の資産運用機能を統括するSBIグローバルアセットマネジメントは、生保、損保、銀行の急増するグループ内の運用資産を有効に運用するべく設立され、それ以降、グローバルな資産運用体制の拡充を図ってきました。現在、傘下企業にはモーニングスターをはじめ、投資信託を設定・運用できる資産運用業のライセンスを保有する会社が、SBIアセットマネジメント、SBIボンド・インベストメント・マネジメント、SBI地方創生アセットマネジメント(後述詳細)の3社もあります。

 中でもSBIボンド・インベストメント・マネジメントは世界最大の米債券運用会社ピムコとの合弁会社で、長期で安定したパフォーマンスを上げられるアクティブ債券ファンドを開発・提供して、グループの運用力の向上に貢献しています。

 18年8月には、ウォーレン・バフェット氏がバリュー投資の祖と崇めたフィリップ・キャレット氏が設立した米資産運用会社キャレット・アセットマネジメントの買収に基本合意しました。日本の投資信託市場の約20倍の規模を誇る米国の投資信託市場の運用資産を取り込むだけでなく、キャレットのグローバル市場に精通した運用力を活用することで、日本の個人投資家および機関投資家、そして厳しい事業環境である地域金融機関の自己資金の運用力の向上にも貢献していきます。

―― 海外の有力な運用企業のM&Aや合弁会社の設立で、その強みを取り込む。磐石の体制を築き、満を持して世界に打って出るというのはSBIグループらしいですね。

朝倉 そうですね。SBIグループ各社のオーガニックグロース(自立的成長)という意味では、先の国内3社で着実に運用残高を伸ばしていくことはもちろん重要です。一方、海外でも引き続き資産運用ニーズは拡大していきます。欧米の先進国では日本と同様に高齢化・長寿化が進む中、資産運用に対するニーズが高まっています。

 また新興国でも中国をはじめ中間所得層が増えると、投資をすることで、少しでも資産を増やしたいというニーズが出てきます。こうしたグローバルな投資家層を取り込むために、先進国では米国だけではなく欧州、新興国では、香港、シンガポールなどの有力な運用会社を買収していこうと考えています。

 世界的に資産運用ニーズは今後も大きく拡大していきますが、日本の家計の金融資産は約1800兆円のうち、依然としてその過半を預貯金が占めている状況です。政府も「貯蓄から投資へ」を提唱し、NISA(少額投資非課税制度)やつみたてNISA、iDeCO(個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度を設定して、投資の必要性を積極的に後押しするようになりました。私は資産運用業(アセットマネジメント)こそ「金融業のラストフロンティア(最後の未開拓事業)」であり、これから大きく飛躍する事業だと思います。

 その意味では、北尾が15年に「これからはアセットマネジメントに力を入れる」と言い、グループの資産運用体制を構築し始めたことはまさに慧眼であり、現在順調にグループ全体の運用資産も拡大しています。

―― そのSBIグローバルアセットマネジメントの運用資産の状況は?

朝倉 投資信託とプライベートエクイティ等を合わせて1兆783億円あります(18年9月末現在)。期初に掲げた1年以内に運用資産1兆円の目標はすでに達成しました。今後は3年以内に5兆円への拡大を目指しています。

―― SBIグループならではのシナジーが発揮される面もあるのでしょうか?

朝倉 「顧客中心主義」の理念をベースに多様な金融サービス各社を有する企業生態系がSBIグループの強みなので、顧客のため、投資家のためにグループ内シナジーを積極的に追求しています。

 例えば、SBIリクイディティ・マーケットというFX取引の流動性を供給する会社があります。この会社と共同で運用商品を開発することで、我々が運用する外貨建商品の為替ヘッジコストを低く抑えることができ、資金を預けてくれる投資家の運用パフォーマンスの向上に貢献しています。

SBIが目指す資産運用を通じた地方創生

信頼と特徴ある商品を地域金融機関に提供

朝倉智也・SBIグローバルアセットマネジメント社長―― 直近の国内の動きでは、SBI地方創生アセットマネジメントを設立されています。

朝倉 SBI地方創生アセットマネジメントは地域金融機関の運用力の強化を目的に、18年3月に設立されました。地域金融機関各行が共同出資して、18年11月現在で27行が参加をしていますが、今後も参加ニーズは高く30 行は超える予定です。他にも地域金融機関が共同で運用会社を設立している例はありますが、これだけ多くの地域金融機関が共同出資をして運用会社を設立している例は他にありません。

 地域金融機関の多くはマイナス金利政策の長期化等で運用難に直面しており、SBIグループが有する卓越した運用力と、資産運用に関わる豊富な知見およびサービス等にご期待いただいているものと理解しています。

 SBI地方創生アセットマネジメントでは、ご出資いただきました地域金融機関に対して、お客さまへの預かり資産運用と自己資金運用の両面からサポートを行い、さらに運用業務や資産運用アドバイスを担う人材の育成を目的にした研修等も提供していきます。

 特徴のある運用商品としては、世界27カ国の拠点を有するモーニングスターの30万超のグローバルデータベースを活用し、個人投資家および自己資金運用向けに、各々に最適な商品の提供を行います。地域金融機関は、17年に金融庁が提言した「顧客本位の業務運営に関する原則」(Fiduciary duty:フィデューシャリー・デューティー)に沿った商品ラインナップを揃える必要がありますが、従来の体制では、自前で適切な運用商品を揃えることは難しい状況でした。

資産運用力の高い海外の運用会社とも協力

 一方、欧米やアジアには、中小型株に特化した運用会社や、不動産、再生可能エネルギーなどのオルタナティブ(非伝統的)資産に強い運用会社など、特定の運用資産に強みを持つ運用会社が数多く存在します。

 ただ、彼らは日本市場に進出するニーズはあっても、日本の市場を熟知しているわけでもなく、商品の認知度を広げるネットワークもないので、進出に二の足を踏んでいるわけです。そうした運用力の高い海外の運用会社とSBIグループが合弁会社をつくったり、買収することで、今まで自前で優良な運用商品を仕入れることが難しかった地域金融機関との橋渡しをしていきます。それらの商品は評価会社のモーニングスターが分析・評価を行いますので、いわばお墨付きを得た良質な商品を安心して投資家に提供できるわけです。

―― 現在は金融機関単体では他行との差別化を図れない、投資先が見つからないといった厳しい状況です。これをSBIグループの強みである運用のケイパビリティを最大限に生かして打破していくわけですね。

朝倉 そのとおりです。地域金融機関は、本業での収益を拡大していくのが難しくなり、これからは収益を上げるために自己資金をどう運用していくのかが成長の鍵となります。それをサポートする役割は重要度を増すことでしょう。

 「地方創生」を主導していくのは、各地域の金融機関です。その地域金融機関にとって大切な事業となる自己資金の運用と、お客さま向けの預かり資産運用業務をサポートすることが、地方創生につながると考えています。北尾が掲げる「共創」の考えの下、資産運用の面においても、地域金融機関と共に新しい価値を創り、成長していきたいと思います。

[PR]経済界2019年1月号別冊 『SBIグループ急成長の秘密』 全国書店で好評発売中!

【SBI】関連記事一覧はこちら

【マネジメント】の記事一覧はこちら

経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る