媒体資料
経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

「人間として何が正しいか」稲盛哲学を実践し廃業の危機を乗り越える―札幌協和

リーマンショックで大ダメージを受け、1度は廃業の危機に直面した札幌協和。再チャレンジからの復活を可能にしたのは、「人間として正しい道を選ぶ」という稲盛和夫氏から学んだ経営哲学と、それを愚直に実行した齊藤隆幸社長の熱い思いだ。

札幌協和社長 齊藤隆幸(さいとう・たかゆき)

 カニ、エビの市場外卸しを営む札幌協和社長の齊藤隆幸氏には、経営者として忘れ得ぬ貴重な経験がある。小樽の水産卸売会社勤務を経て2002年に独立した同氏は、初年度から絶好調。会社の業績は順調に伸び、6年目には社員12人で売上高60億円を稼ぎ出すまでに成長した。

 そこに襲い掛かったのがリーマンショックだ。手掛けていた高価格食材マーケットが一気に縮小し、見込み生産していた在庫が大量にだぶつく事態となった。事業拡大に伴い借り入れた金融機関からの融資は当時12億6千万円にまで達し、返済の見込みが立たなくなってしまった。

 同業者が次々に廃業する中、頭をよぎったのは以前読んだ稲盛和夫・京セラ名誉会長の著書『生き方』の言葉だった。「全ての判断基準は、世の中の原理原則である『人間として何が正しいか』その一点に尽きる」―― この言葉により自分自身の慢心に気付かされたという齊藤氏。厳しいことは承知の上で、借金を返済しながら事業を継続する道を選択した。

 「それまでの自分は、お金を儲けたい、名前を売りたいという気持ちぐらいしかなかった。何のために経営するのか、という考えが抜けていたんです」と当時を振り返る。

 ピンチを救ったのは、取引のあったカネシメ高橋水産社長の高橋清一郎氏だ。バンクミーティングの場で激しい突き上げを食らった齊藤氏を擁護し、再生のサポートを約束することで、札幌協和の事業継続を融資担当者に納得させた。「人間として正しいことを行う」という信念が、周囲を動かした瞬間だった。

 それからの札幌協和は、京セラフィロソフィを現場に落とし込むべく、従業員との勉強会、意見交換会などを定期的に開いてコミュニケーション重視の経営を徹底。地道に事業を継続し、現在は負債を約半分まで返済した。

 「借金を完済するためにも、経常利益率向上を目指し、自社ブランドを作ったり、BtoCへの展開を考えています。外部環境が厳しくなって、売り上げが減っても耐えられる体制をつくるのが経営という稲盛氏の教えを実践していきたい」と、齊藤氏は未来への展望を語る。

会社概要
設立 2002年7月
資本金 3,000万円
売上高 32億円
所在地 北海道札幌市中央区
従業員数 3人
事業内容 卸売り、OEM、PB加工販売、輸出入
https://www.spkyowa.com/

【AD】