広告掲載
経営者に愛読される雑誌に記事を掲載しませんか?

地域資源を活かした新しいビジネス

東京都の空き家率「11.1%」は何を意味するのか? イメージ画像

「地域資源」という言葉をご存知だろうか。その土地ならでは特産品や観光名所のことで、2007年に施行された「中小企業地域産業資源活用促進法(地域資源法)」をきっかけに注目されるようになった。[提供:経営プロ]

地域資源を生かす新しい地域おこし

 この法律で、都道府県が地域の特産品や観光名所を次の3つの類型のなかから「地域資源」として指定、それを活用した事業計画を中小企業が作り、国の認可を受けることで、さまざまな支援措置が受けられるようになった。

①地域の特産物として相当程度認識されている農林水産物や鉱工業品(野菜、果物、魚、木材等)

②地域の特産物である鉱工業品の生産に係る技術(鋳物、繊維、漆器、陶磁器等)

③文化財、自然の風景地、温泉その他の地域の観光資源として相当程度認識されているもの(文化財、自然景観、温泉等)

 しかし、最近は、さらに進んだ取り組みも見られるようだ。食環境ジャーナリストで、全国の地域活動へのアドバイスやコーディネートなどを行っている金丸弘美氏の著した『タカラは足元にあり! 地域経済活性化戦略』(合同出版)や『里山産業論 「食の戦略」が六次産業を超える』(角川新書)には、そんな新しい取り組みが紹介されている。

 たとえば、三重県では自治体が主導してジビエを地域ブランドに育てる取り組みが行われているという。ジビエはフランス語で、食材として狩猟された野生の鳥獣やその肉のこと。

 ニュースにもよく取り上げられるが、農村部では鳥獣による農作物への被害が多い。農林水産省の2011年の推計によると、その被害は年間226億円にもなるという。

 三重県も鳥獣被害に悩まされていた。普通はどのように駆除するかという話になるところだが、県の担当者は食材に転換させることで、「みえジビエ」という新しいブランドを作ろうと考えた。そして、捕獲から放血、解体、出荷まで細かく示した『「みえジビエ」品質・衛生管理マニュアル」を作成。また、県の認可を受けないと「みえジビエ」として販売できないことにした。その結果。今では市場で品物が足りない状況になっているという。

ビジネスの種は足元に

 福井県越前市の「タケフナイフビレッジ」の取り組みも興味深い。これは地元の刃物業者が協力して作った施設で、ショールームには包丁、鋏、鎌などさまざまな刃物が展示され、工房では包丁づくりの作業を見学することができるようになっている。もちろん、販売も行われていて、日本全国はもとよりイギリス、フランス、ドイツなどの海外からも多くの人達が訪れているという。

 もともと越前市の刃物は700年の歴史があり、江戸時代以降、包丁や鎌の生産地として広く知られていた。ところが、安い包丁が大量に出回るようになり、売り上げが激減、存続も危ぶまれる状況に陥っていたのだという。そこで、同業者で共同組合を設立して「タケフナイフビレッジ」を作った。その一方で共同で営業活動を行うことで海外進出も果たす。もともと品質は高い。ヨーロッパの見本市に出品したところ評判となり、今では製造されたものの半数は海外で売られているという。それも3万円以上の高級包丁が人気で、3か月待ち、半年待ちが当たり前というから凄い。

 もともと刃物は越前市の地域資源といえるものだったわけだが、そのままにしていたら消えていたかも知れない。それを組織を見直し、売り方を変えることで再生したわけだ。

 もしかすると、あなたの身近なところにも大きなビジネスの種が眠っているかも知れない。身の回りを見直してはどうだろうか。金丸氏の著作のタイトルのように「タカラは足元にあり」だ。

keieipro_logo_R

 

 

 

【経営プロ関連記事】

カラオケルームをビジネスに活用する新サービス

【人と組織が活きる経営判断】第4回 「理念」による価値創造を具体化する

【経営者のあの一言 Vol.124】「常に先制の妙を発揮せよ。」帝人 元社長 大屋晋三

【人と組織が活きる経営判断】第3回 価値観の変化を先取りする需要創造

【経営者のあの一言 Vol.123】「変化を恐れる会社は危険。動いている会社──企業は変化することの方がはるかに安全。」日清製粉グループ 名誉会長相談役 正田修

【人と組織が活きる経営判断】第2回 需要創造型経営と集団性格