マネジメント

プロフィールの見直しで他者との差別化を

 あなたは、自分自身のプロフィールの重要性に、気付いているだろうか。ほとんどの人は、おそらく考えてもみないことだと思う。

 だが、自分の強みを発見するためには、自分の「プロフィール」を、一度見直してみることをお勧めしたい。

 あらためて「自分のプロフィールを」というと、自分の成功体験ばかりを思い浮かべてしまうかもしれないが、実は「失敗体験」こそ、他との差別化になることが多い。

 弊社の笠井がまさにそうであった。

 彼女の著作『成功したい女は、「結婚」を捨てなさい』(経済界)に詳しく書いてあるが、青い鳥を探し続けた揚げ句、5千万円の借金を作ってしまったのである。

 私の会社で仕事をしてから、しばらくの間は、ひた隠しにしていたのだが、私の処女作である『年収1億円思考』(経済界)がベストセラーになり、その中に笠井のエピソードを書いていたことから、多くの人に知られることとなり、腹をくくったそうである。

 最初は、仕方なくその過去を明らかにしたという形だった。

 しかし結果として、「借金5千万円から、立ち直った女性って、どんな人だろう?」と、お客さまの強い関心(好奇心?)をいただき、多くのファンを作っていったのであった。

単なる社労士ではなく 採用コンサルタントへ

 笠井の例で分かるように、強みとは、つまり、他人より優れていることではなく、他人との「違い性」なのである。

 たとえ、それが笠井のように、決して人には威張れないような、ちょっと社会人としては恥ずかしいような「違い性」であっても、他人というのはそこに強い関心を寄せるものなのだ。

 むろん失敗体験ばかりが差別化につながるわけではない。

ある社労士は、社労士の仕事そのものよりも、なぜか採用面接の仕方がうまかった。そこで私は、それをアピールしなさいとアドバイスした。その結果、企業の社長に、「社労士」ではなく、「採用コンサルタント」として売り込むことに成功したのである。

 この実例でよく分かるように、自分の強みを少し変えるだけでも、成功する場合もあるのだ。この社労士のケースでは、社会への役割を「社労士」という資格から「採用コンサルタント」という実務に、少し変えただけで、うまく行ったのである。

 では強みを発見するのには、どうすればいいのか。それはやはり、究極の顧客志向となる必要がある。

結局は相手にどんな価値を提供できるかだ

 つまり、お客さまが、自分に価値と感じているのはどんなところか、という点を正確に把握しなくてはならない。

 前出の社労士は、採用の支援という点で、ずば抜けた成績を残していた。そして、その人の価値は「そこにある」と、他者から評価を受けているからこそ、それが強みになったのである。

 言うまでもなく、強み、強み、と自分で考えていても、なかなか自分の強みというのは見いだせるものではない。ではどうしたら、よいのか。

 他人の目をお借りするのである。それも、お客さまや、自分より基準が上のメンターに、「なぜ私と付き合ってくれるのか」を聞くことが重要なのである。

 私もメンターや取引先の社長に「なぜ江上と付き合うのか?」とインタビューすることがある。すると、自分が思ってもみなかった「強み」を見いだしてくれることがある。

 とてつもなく稼ぐ人は、相手にどんな価値を提供できるか、素直に相手に聞き、自分の思いがけない強みを見出し、プロフィールに反映させることで、ブランディングを確立しているのである。

今号の流儀

メンターに「なぜ私と付き合うのか」を聞けば強みが分かる。

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件に学ぶ 不祥事対応のプリンシプル

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

「ブラック企業」という評価の考察

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

「創造と変革」を掲げリーダー教育事業を展開しているグロービス。未来が予見しづらい混迷の時代を迎え、まさに新たな時代を切り拓いていくリーダーが求められている。そのような状況を受けて、グロービスは昨年、新たに執行役員以上に限定したエグゼクティブ向けのプログラム「知命社中」を開設した。[PR]次世代を担う経営リーダ…

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

「支持政党なし」をつくった男のユニークな発想とビジネス――佐野秀光(情報通信ネットワークグループ社長)

新社長登場

一覧へ

「技術立脚の理念の下、付加価値の高い香料を開発します」――高砂香料工業社長 桝村聡

創業から95年、海外に進出してから50年以上たつ国際派企業の高砂香料工業。合成香料では日本最大手であり、国際的にも6%以上のシェアを持つ優良企業だ。100年弱の歴史を持つ高砂香料工業── まず御社の特徴をお聞かせください。桝村 1920年創業ですから、2020年に100周年を迎える香料の専門メーカーです。基本…

桝村 聡

「ネット広告が変わってもクライアント本位の姿勢は変わりません」--バリューコマース社長 香川仁

「最新情報を発信、人と企業の働く環境を良くしていきます」--マンパワーグループ社長 池田匡弥

イノベーターズ

一覧へ

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

フランスの大手高級酒グループ、レミー・コアントロー社の日本法人。18世紀から愛飲されてきた名門コニャックの「レミーマルタン」や世界有数のリキュール「コアントロー」をはじめ、スピリッツやウイスキーなど戦略的なラインアップを日本市場で展開している。同社の宮﨑俊治代表取締役に事業展開について聞いた。 &nbs…

リグナ社長 小澤良介 家具のEC販売から様々な展開へ

内装空間の総合プロデュースで想いをカタチに創り上げる――ユニオンテック社長 大川祐介

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 教育部門と…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2018年9月号
[特集]
この夏飲みたい日本の酒

  • ・総論 量から質へ“こだわり”が求められる時代へ
  • ・埼玉・秩父から世界一へ イチローズモルトの奇跡
  • ・家庭でも酒場でもレモンサワーが飲まれる理由
  • ・幕末からよみがえった都心の酒蔵 東京港酒造
  • ・本間哲朗(アプライアンス社社長)
  • ・伊豆で愉しむ野趣なワインと夏の富士
  • ・トップが薦めるこの夏のビール

[Special Interview]

 宮内義彦(オリックス シニア・チェアマン)

 「トップの器以上に会社は大きくならない」

[NEWS REPORT]

◆ヨーロッパに続け! 動き始めた日本の再エネ事業

◆東芝のPC事業を買収し8年ぶりに参入するシャープの勝算

◆日産―ルノー経営統合問題に苦慮するカルロス・ゴーン

◆大阪がエンタメで仕掛けるインバウンドと夜の経済

働きがいのある会社を総力取材

 人材育成企業20

 企業の成長戦略をクローズアップ

ページ上部へ戻る