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建設リスクを経営資源に変える“施設参謀”として日本を社会先進立国へ――川原秀仁(山下ピー・エム・コンサルタンツ代表取締役社長)

山下ピー・エム・コンサルタンツ代表取締役社長 川原秀仁氏

顧客のニーズを元に設計、施工会社の選定から、施設運用までをトータルで支援するCM(コンストラクションマネジメント)、PM(プロジェクトマネジメント)の専業会社。顧客の事業拡大に貢献する“施設参謀”として建設産業の新たなプラットフォームの創造を目指す。

事業戦略と施設戦略を融合し、企業価値の向上へ

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株式会社山下ピー・エム・コンサルタンツ代表取締役社長 川原秀仁(かわはら・ひでひと)

 日本でも近年、CRE(企業不動産)戦略という言葉が聞かれるようになったが、山下ピー・エム・コンサルタンツ(山下PMC)は20年以上も前から最先端のCMとPMのノウハウを蓄積させ、この分野のリーディングカンパニーに成長した。

 建物は発注者の意向に沿って正確に造ればいいという時代が続いたが、今はそれだけでは不十分だ。企業における建設プロジェクトとは、立派な施設を造ることが目的ではなく、そこから付加価値の高いサービスを生むことにある。最新鋭の設備を取り入れた建物でも、企業の事業戦略と合致しなければ、建物の価値は大きく毀損される。竣工してそれで終わりではなく、同社は施設の運用にまで長期にわたってサポートする。

 創業メンバーでもある川原秀仁社長は「当社の特色は、まずお客さまの意向を徹底的にヒアリングし、お客さまの事業戦略を、具体的な施設戦略に落とし込みます。施設戦略は企業の収益を最大化するため、事業戦略と融合することが肝心なのです。そのために新たな事業戦略創りにも参加し、その具現化に向けCM、PMで推進します。戦略立案の言いっ放しではなく、実現に向けて最後までお手伝いします」

 不動産を活用して企業価値向上を目指すCRE戦略においても、クライアントが求めるサービスにはワンストップで対応する。これまで手掛けた案件は本社屋から研究施設、物流施設、宿泊施設、スポーツ施設など、1300件以上に上り、現在は1案件平均50億円のプロジェクトを同時に180件抱えている。近年のビッグプロジェクトには総事業費約1500億円の武田薬品工業湘南研究所がある。世界中の研究機能を集約した複雑な施設で関係する設計、施工会社も多岐に渡ったが、これをわずか4年で完成させた。

 「新規事業の創出をはじめ事業戦略を一緒に考えてほしいという要望が増えています。新規事業ですから建物も従来の発想では駄目で、金融ならフィンテック、メディアならネット配信などに対応する施設の在り方や事業戦略も提案しています」

 業界大手の山下設計から分離して発足した同社は、最初から新たな事業領域を創造することが求められた。旧来の発想にはなかった新たなイノベーションを生むための複雑な施設づくりの課題解決が使命だったともいえる。現在のスタッフは122人、その多くはキャリア採用でPMとCM業務を担当している。前職は名だたる組織設計事務所で取りまとめ役を経験したメンバーをはじめ、ゼネコンの設計部門、企業の施設発注者などさまざまな領域のプロが集まっているという。

 「経験豊富な人が多いですが、“施設参謀”という理念を理解して行動できるようになるには数年かかります。過去のノウハウを蓄積した膨大なオリジナルの教育実践ツールもあるので、座学とOJTを通じてスキルを高めていきます。また、数々のビッグプロジェクトを経験したベテランも“賢人”としてメンバーに加わり、スタッフのさらなる成長に役立っています」

建設業界の改革を進めて、日本を社会先進立国に

 川原社長は、「日本はものづくりばかりに過剰に重きを置いてきた。高品質という言葉は必ずしも物質を示しているだけではない。優れたサービスこそが収益を高め、価値を生みだしていることを認識すれば建設業界に新たなバリューチェーンを導入することができる。単なる市場調査に収まらないマーケティングを徹底し、高品質を全うするために社員一人一人がアイデアを実現化するためのスキルを地道に磨き続けることが重要だ」と述べる。

 同社は構造物を含めた目の前に見える「モノ」という固定観念に捉われた建築業界に、新たな価値を提供しようとしている。その1つがIoTやAI等の最新技術を駆使した「コネクテッドファシリティ」という新たなプラットフォーム創りだ。1つの建物が多くのセンサーを持ちビッグデータを集めてマーケティング戦略を生みだしていくという構想だ。

 「5年前に提唱して以来、最近になって大手の建設会社にも理解者が増えてきました。1社のモデルとして終わるのではなく業界全体でシェアしながらプラットフォーム化し、現在ではなく、未来の顧客が満足するような構想を先回りして提供し、実現していきたいですね」

 川原社長の構想は、日本の高度成長を牽引してきた産業界の主役が、ものづくりの輸出産業から大きく変わろうとしている現状を踏まえたものだ。国際収支を見ると、今の日本は貿易収支型から、海外の子会社からの仕送りで成り立つ所得収支型の先進国に変わった。とすれば大きなパラダイムシフトで次世代の主役も変わっていくはずである。既存産業の構造改革と、イノベーションを生む新産業の育成が求められる。

 「新時代を“社会先進立国”とすれば、その実現のため、何ができるのかを常に考えています。まずは建設業のバリューチェーンを合理的なものに変えて先進産業に変革するよう努力しますが、それだけではなく日本の産業界全体の改革に貢献したいと思っています」

 

株式会社山下ピー・エム・コンサルタンツ

  • 設立/1997年12月1日
  • 資本金/5000万円
  • 従業員/122人
  • 事業内容/施設建設に関するPM(プロジェクトマネジメント)・CM(コンストラクションマネジメント)業務全般、事業創造・戦略立案業務
  • 所在地/東京都中央区
  • 会社ホームページ/https://www.ypmc.co.jp/

 
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