マネジメント

IoTとAIが一気に身近な存在となってきた。しかし社会に広く普及させるには、セキュリティ対策などの課題も多い。世界に誇れる独自の技術で、セキュアなIoTとAIを実現するSELTECHの出番が、いよいよ訪れようとしている。

海外から高い評価を得るSELTECH独自のセキュリティ保証とAI技術力

201803SELTEC_P01

株式会社SELTECH代表取締役社長 江川将偉(えがわ・しょうい)

 2017年にはメディアに取り上げられる頻度も増え、一般の認知度も大きく向上してきたIoTとAI。既に実証実験段階からソリューション段階に入ったともいわれ、スマートスピーカーのヒットをはじめ、身近なところでもサービスや製品が誕生している。

 一方で、IoTとAIは課題も抱えている。それがセキュリティだ。インターネットでつながることは外部からの攻撃を受けるリスクとなる。またどれだけ便利なAIでも、情報漏洩やハッキングの脅威があっては使いづらい。そこで、独自の技術によりIoTのセキュリティを確保できる製品と、セキュリティが保証されたAIを開発しているのがSELTECHだ。セキュリティとAIの両方をカバーできる技術力は世界的に見てもごくまれであり、日本国内では絶対的な存在だ。

 その同社のセキュリティ技術が「FOXvisor(フォックスバイザー)」。製品に既に組み込まれている基本ソフト(OS)とは別にもう一つの隠れた安全な「セキュアOS」として搭載することで、外部からの攻撃を遮断する。

 「当社のHypervisorであるFOXvisorは、製品に既に組み込まれているCPUに搭載することができるため、高性能でありながら低コスト化を実現した製品です。この技術で身の回りの全てのIoT製品にリーズナブルに『安心・安全』を提供することが可能となります」と江川社長がその特長を説明してくれた。そして同社が開発するAIも、このセキュリティ技術が生かされている安全・安心なAIだ。

 昨年は、同社の技術力が国内外から高い評価を受けていることの証となる大きなエポックが相次いだ。G7情報通信・産業大臣会合では、江川社長が経済産業省推薦で選ばれ講演を行い、またシリコンバレーのIT情報誌「APAC CIO Outlook Magazine」が、最も将来性あるAI企業25社の一つとして同社を選定している。

 さらに、同社と積水ハウス、NTTデータ、DNP、ベンチャーラボの5社が幹事社となって「セキュアIoTアライアンス(SIA)」を立ち上げている。IoT社会が成立するためには、セキュリティに明確な基準が必要になるが、SIAは一般社団法人重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS)が定めたガイドラインに則った製品標準仕様書を開発することをミッションとしており、SELTECHは中心メンバーとして関わっている。

 今年にはさらに大きな展開が待っている。16年にソフトバンクが約3.3兆円で買収したことで注目を集めたCPU設計世界最大手のarm(アーム)社とも連携を深めているが、arm社はクラウドサービス分野への進出を開始しており、SELTECHの技術を生かした新サービスが間もなくリリースされるという。

江川社長の考えるさらなるAI普及とSELTECHの存在価値

 江川社長は、AIは今後さらに急速に進化すると語る。「数多くのAI製品が誕生し、それぞれの技術力が試されるのが18年です。そして次の19年には、一般消費者の手に届くレベルとなり一気に社会に普及するようになると考えています」

 AIが普及し始めるステージでは、SELTECHの存在価値がさらに重要度を増す。IoTを通してあらゆるモノ同士がつながる社会が訪れようとしているからだ。

 「AIによって全ての人に平等に情報が行き渡るようになります。そこで情報の在り方が最も重要となります。利用者が情報を自ら理解するために、AIは得た情報を判断・分類し利用者に分かりやすく提示できなければいけない。例えITリテラシーが低い人でも、容易に情報を守る(非公開)か守らなくても良い(公開)か理解し判断させること、言い換えると利用者を教育する機能がAIに求められます」

 利用者が非公開を選択した場合は、同社のセキュリティ技術によってしっかりと守られる。誰でも自ら選択できること、その上で守るべきは守れること、この2つが実現すべき社会正義だと江川社長は考えている。

 同社のAI開発は、情報の在り方とは別のアプローチがある。それがより深く人を学べる能力だ。人の感情と行動パターンの関連性を学習することで、例えば自動車運転時のドライバーに特定の行動が表れるとイライラしていると認識し、そのイライラを鎮めるためのアクションを起こしたり、スピードの上昇を抑えたりすることも可能になる。この能力は、社会問題となりつつある「あおり運転」予防にも効果がある。行動認識と感情認識を学習するAIは、現在IoTマンションで実証実験を進めているほか、大手自動車メーカーと協同で自動運転システムの開発にも取り組んでいる。

 そして、18年春もっとも期待が大きいのが「AIMY(エイミィ)」だ。同社ホームページでも簡単に案内されているが、全容は極秘のベールに包まれている。経済産業省の肝いりでもあり、日本を代表する大手企業が複数参加する一大プロジェクトだという。

 国は、デジタル技術の活用で、企業、生産拠点、人、モノ、サービスやインフラなど社会におけるあらゆる要素がつながる未来図「コネクテッド・インダストリーズ=第4次産業革命」を提唱している。第4次産業革命を牽引できる技術力を有しているSELTECHは、次代の日本の産業を支える役割を担おうとしている。

 

株式会社SELTECH

  • 設立/2009年9月
  • 資本金/13億6436万円(資本準備金含む)
  • 従業員数/50人
  • 事業内容/仮想化(セキュア)技術「FOXvisor」の開発・販売、組み込みシステム向け人工知能技術×音声・画像認識「VAIS」の開発・販売
  • 所在地/東京都渋谷区
  • 会社ホームページ/https://seltech.co.jp

 
経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan
 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件とダスキン事件に学ぶ 不祥事対応の原則

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

ブラック企業と労災認定

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

次なるステージを駆け上がる日本電子「70年目の転進」–日本電子

 最先端の分析機器・理科学機器の製造・販売・開発研究等を手掛ける日本電子(JEOL)は、ノーベル賞受賞者を含むトップサイエンティストや研究機関を顧客に、世界の科学技術振興を支えてきた。足元の業績は2019年3月期で連結営業利益、同経常利益、同最終利益がいずれも過去最高を更新。かつては技術偏重による「儲からない…

独自開発のホテル基幹システムで業務効率化と顧客満足度を向上–ネットシスジャパン

逆転の発想で歴史に残る食パンを 生活に新しい食文化をもたらす–乃が美ホールディングス

新社長登場

一覧へ

森島寛晃・セレッソ大阪社長が目指すクラブ経営とは

前身のヤンマーディーゼルサッカー部を経て1993年に創設されたセレッソ大阪。その25周年にあたる2018年12月に社長に就任した森島寛晃氏は、ヤンマー時代も含めて通算28年間セレッソ一筋、「ミスターセレッソ」の愛称を持つ。今も多くのファンに愛される新社長が目指すクラブ経営とは。聞き手=島本哲平 Photo=藤…

森島寛晃・セレッソ大阪社長

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

イノベーターズ

一覧へ

非大卒就職マーケットの変革に挑む元教師の挑戦―永田謙介(スパーク社長)

日本企業の年功序列と終身雇用が崩壊に向かう中、制度を支えてきた大学生の新卒一括採用の是非もようやく議論されるようになってきた。一方、高校卒業後に就職する学生のための制度は旧態依然とし、変化の兆しがほとんど見えない。こうした現状を打ち破るべく、非大卒就職マーケットの改革に挑戦しているのがSpark(スパーク)社…

起業家にとって「志」が綺麗ごとではなく重要な理由―坂本憲彦(一般財団法人立志財団理事長)

勉強ノウハウと法律知識で企業の「働き方改革」を促進する―鬼頭政人(サイトビジット社長)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2020年5月号
[特集] 巻き込む力
  • ・高岡浩三(ネスレ日本社長兼CEO)
  • ・唐池恒二(九州旅客鉄道会長)
  • ・河野 仁(防衛大学校教授)
  • ・入山章栄(早稲田大学大学院・ビジネススクール教授)
  • ・出口治明(立命館アジア太平洋大学学長)
  • ・中竹竜二(日本ラグビーフットボール協会理事)
  • ・時代も国境も超えた普遍のリーダーシップを学べるベストブックス
[Special Interview]

 小林喜光(三菱ケミカルホールディングス会長)

 イノベーションを起こすために「人間とは何か」を問う

[NEWS REPORT]

◆零細企業でも活用できるインターネットM&A最前線

◆業界再編はあるのか 日本製鉄、巻き返しへの一手

◆技術研究所を解体してホンダは何を目指すのか

◆新型コロナウイルス治療薬 なぜ日本企業は創れないのか

[特集2]

 経営者に贈る「イロとカネの危機管理」

ページ上部へ戻る