経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

独自開発のホテル基幹システムで業務効率化と顧客満足度を向上–ネットシスジャパン

2020注目企業38

 インバウンド需要で日本のホテルの客室数は増加しているが、多くの宿泊客が快適なホテルライフを過ごすためには、ITを活用した業務のサポートが欠かせない。ネットシスジャパンが提供するホテル基幹システム「Core Cast」(コアキャスト)は、ホテルの主要業務をパソコンだけでなくスマートフォンでも操作可能とし、国内外850軒以上のホテル・旅館が導入している。低コストで運用できるクラウド型サービスだ。(『経済界』2020年4月号より転載) 

朴 宰徳氏

ネットシスジャパン代表取締役 朴 宰徳(パク・ジェトク)

 

システム導入で業務効率化、経費削減、売り上げ増を実現

 ソフトウエアとハードウエアの双方を手掛けることで、シームレスなサービスを提供するネットシスジャパン。特に今年はオリンピックイヤーということで、宿泊客増加への対応に追われるホテルから「Core Cast」の受注も増えている。

 「『Core Cast』は、世界最多機能を標準搭載し、ホテルの業務ごとに分散しがちなシステムを、一つのシステムに集約して提供するため、業務の効率化、経費削減、売り上げ向上をワンストップで図ることができます。従業員は難しい操作を覚える必要がなく、直感的なユーザーインターフェースで誰でも簡単に使えるシステムが好評です」と朴代表取締役は語る。

 同システムは、クライアントの業務内容に応じて柔軟で安価にカスタマイズでき、予約業務、チェックイン・チェックアウト業務、顧客管理、バンケット管理といったホテル主要業務の効率化を実現。さらに、リアルタイムな売り上げ状況の把握や豊富な分析レポートにより経営強化につなげるなど、ホテル運営をトータルでサポートできるのが強みだ。

 客室数が多いホテルでは、満室時でもいかにサービスを低下させないかが重要な課題であるが、同システムによって効率的なサービス向上が可能になるという。

 「チェックイン時の画面上に、宿泊履歴、誕生日、嗜好、アレルギーなどさまざまな顧客情報が表示されるので、一人一人の顧客に応じたきめ細やかなサービスを全スタッフで提供できるようになります」

 また、客室に設置されたテレビを最大限に活用することによって業務の効率化を図りながら、同時に顧客サービスの充実を実現するのが独自の「テレビソリューション」だ。

 「チェックイン時に行うホテル内のサービス、設備などの説明を、客室のテレビ画面でチェックできるようにすれば、接客時間を大幅に短縮できます。また、多言語に対応したホテル周辺の観光案内や、お客さまへのメッセージなどもテレビ画面に流すことができます」

 各種センサーや従業員の簡単な入力により、大浴場やレストラン、コインランドリーなど、混雑しがちな館内施設にわざわざ足を運ばなくても、客室にいながらテレビ画面で混雑状況や利用状況が確認できるシステムも重宝されているという。

 ハード・ソフトの両面から現場スタッフの負担を軽減

 同社では、ソフトウエアと連携するハードウエアの開発でもホテル業務の効率化に貢献している。2019年10月より、4カ国語対応の自動チェックイン機の販売を開始した。自動チェックイン機は、ホテル業務の中で最も人が必要となるチェックイン・チェックアウト業務を効率化し、全体の雇用人数も抑える。

 「自動チェックイン機の導入によってお客さまの待ち時間が少なくなるとともに、フロント業務の効率化でスタッフ不足の解決にもつながります。また、機器の内部はフレキシブルにカスタマイズできる仕様なので、今後多様化するキャッシュレス決済にも部品交換のみで対応することが可能です」

 システムにトラブルが発生した際には、本社ヘルプデスクが電話で即座に対応するが、ホテル側の現場スタッフでも即座に対処できるよう設計段階から構築することで、客室が稼働できないことによる機会損失を最小限にとどめている。

 「当社は営業以上に保守サポート業務に力を入れ、ホテルの稼働率向上を最優先に考えたシステム設計を徹底しています。クラウド型のサービスなので、通常のメンテナンス時も当社が遠隔監視を行っております」

ホテルの業務効率化を支援する自動チェックイン機

ホテルの業務効率化を支援する自動チェックイン機

 ネットシスジャパンが、ホテルを知り尽くしたきめ細やかなシステムを提供できるのは、同社の営業担当者やエンジニアが実際にホテルに宿泊して各サービスをチェックしていることも大きい。

 「営業とエンジニアは、チームを組んでクライアントのシステム開発に取り組みますが、実際に宿泊することでよりリアルに課題や改善点を把握することができます。さらなるサービスの充実のため、今後はホテル業界出身者の採用も積極的に行っていきたいと考えています」

 インバウンドブームが活況の中、ホテルの基幹システム開発に特化する企業として期待が集まる。

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会社概要
設立 2004年4月
資本金 5,100万円
売上高 12億円
所在地 新潟県新潟市
従業員数 30人
事業内容 ホテル向け自動チェックイン機の開発、ホテル基幹システ
ムの開発、ホテル・病院のVODシステム、清掃管理システム、イ
ンターネットシステム関連機器の企画・施工保守。
在宅介護医療システム開発
http://www.netsysjapan.co.jp/
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