超高齢化社会が進み、慢性的な人手不足による介護サービスの質の低下が問題化している。そんな中、のぞみグループが長年、国内外で培ってきた質の高い介護サービスが、介護技能実習生の研修を通じて全国に広がり始めている。(『経済界』2020年4月号より転載) 

甘利庸子氏

のぞみグループ代表 甘利庸子(あまり・ようこ)

 

 2017年に介護職の技能実習生が認められ、18年8月、日本で初めての介護技能実習生19人がインドネシアから来日、のぞみグループの研修施設での研修が始まった。

 「ようやく最初の1歩を踏み出せました。介護技能実習生は誰も経験のない分野だけに質の高い介護と日本語のコミュニケーション力が必要です。長年、海外で介護職の育成に取り組んできた当グループのネットワークと研修カリキュラムが日本の介護の未来のために役に立つときがきました」と、のぞみグループの甘利庸子代表は当時を振り返る。

 介護支援専門員として介護現場を経験してきた甘利氏は、人材不足の危機感から11年よりタイ、ベトナムに拠点を置き、介護職の育成と各国の大学や関係団体との信頼関係を構築してきた。また、内閣官房が進める国際アジア健康構想協議会メンバーとして、全国に質の高い介護技能実習生を数多く送り出すための人材の還流にも取り組んできた。

 「海外での介護と日本語教育の経験、日本での介護と介護職員初任者研修の経験、そのすべての経験を持つ当グループしかつくれない研修カリキュラムがあるからこそ、質の高い介護と日本語のコミュニケーション力を持つ技能実習生が育成できます。また、『自立支援』と『介護予防』について教えるのも当グループの研修の特徴です」と甘利代表。

 その言葉どおり、同グループで2カ月の研修を終えた技能実習生は、全国の介護施設などの受け入れ先で高い評価を得ている。それに加え、最初の1期生から昨年12月の7期生まで、120人を超える介護職を育ててきた実績も注目されている。

 「積み重ねた実績の中から、現地での入国前の介護導入研修の必要性が見えてきました」と語る甘利代表は、現地での入国要件を満たす「のぞみメソッド」の普及と、現地の介護のレベルアップを図り、技能実習生が帰国後に活躍できる介護環境の構築を目指している。そして、社会主義共和国であるベトナムにおいて、JICAのODA事業に取り組んでいく。

 日本の介護の未来のために日本と東南アジアをつなぐ甘利代表の役割はますます大きくなりそうだ。

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会社概要
創業 1992年
所在地 長野県小諸市
従業員数 370人
事業内容 医療、介護事業、介護施設事業、日帰り温泉施設事業、
エステティックサロン事業、レストラン事業、海外介護士育成事業、
ベトナム・タイの現地法人を含め9法人
https://nozomi-g.co.jp/
http://www.kaigai-kaigoshi.jp/
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