シェアハウス業界のトップを走るオークハウス(山中武志社長)。“ソーシャルレジデンス”として高い付加価値が評価され、外国人を中心に人気を集めて成長している。ライバルの追随を許さないのは、ハードとソフトが融合された顧客目線のサービス力にある。[PR]
オークハウスはシェアハウスで入居者目線でソフトとハードを革新
シェアハウスは外国人向けの特別な長期滞在施設のイメージが当初強かった。普通の賃貸物件は、入居の際、保証人が必要で、敷金、礼金といった日本独自の商習慣があり、その上、仲介手数料も加算されるため、まとまったお金が必要だ。外国人にはかなり高いハードルとなり、外国人利用者を中心に少しずつ需要が伸びていった。しかし、初期費用が抑えられて、家具付きという経済合理性だけがメリットではない。山中武志社長は「ハードウエアだけでなく、イベント、パーティーなどのコミュミケーションを大事にしています。ソフトで付加価値を高め、新しいライフスタイルを提供してきたことが利用者の共感を呼んだのだと思います」と語る。つまり、一般の賃貸業者のようにオーナー目線で物件を貸すのではなく、入居者の目線でサービスを創り上げたのが人気の秘密だ。
現在、同社の管理物件は約5千部屋で、計画中のものを含めると5500部屋あり、業界では圧倒的な数になっている(グラフ参照)。企業が使っていた大型の社員寮などをリノベーションして防音室やマルチスタジオ、シアタールームなどを設置。それらの施設を活用して、入居者のソーシャルアクティビティを積極的に応援している。
「例えば、入居者のフリーのネイリストの方には施設の一部を無料提供して、その代わりに入居者向けのサービスは料金を格安で提供してもらっています。ウェブサイトでお客さま集めの支援もしています」(海老原大介営業部部長)
そのほかにもハウスごとのフットサルチームで対抗試合するなど、入居者の横展開も広げている。同社は施設の提供に止まらず、各種催事の運営をさまざまな形で支援、新しい暮らし方を提供している。常駐スタッフは全員英語でコミュニケーションがとれ、イベントも積極的に盛り上げる。これらのきめ細かいサービスがソーシャルレジデンスのプラットホームになっている。こういった強みを整理すると、同社はハードとソフトを融合させながら「入居者の代理人」となってサービスを提供するという精神が貫かれているといっていいだろう。
シェアハウスのオークハウスが賃貸物件や社員寮の利活用
今、同社では入居希望者からの問い合わせが増え、物件を確保するほうが難しくなっているという。そのため、常に新たな物件を求めている。例えば賃貸業界では少子化の影響もあって、神奈川や千葉エリアでは空室率が30%を超えるものも珍しくないが、同社の施設は築20年以上の物件がたくさんある。通常は借り手がつかない物件でも、シェアハウスという新たなモデルにするだけで入居者が集まり安定収益を得られる。
同社が求める物件は賃貸マンションやアパートのリモデルのほかに、企業が保有する社員寮などの厚生施設だ。これをシェアハウスとして利活用するニーズが増えているという。開業までのフローは、①調査(査定、コンサルティング)②企画立案(新築、改修のプランニング)③施工④マーケティング(集客)⑤マネジメント。同社が長期間で一括借り上げするシステムだ。
インバウンド需要もあって、短期滞在する外国人も増える中、成長が見込めるシェアハウスに転換すれば、長期に渡って安定的な収益が望める。
現在の主力事業はシェアハウスとスマート賃貸、それとホテルの3部門だ。ホテルについては現在4棟を運営しており300人のキャパシティーがあるが、新たに京都と奈良に1棟ずつオープンの予定だ。ホテルも従来型とは異なり、宿泊者同志や外部の人たちとコミュニケーションがとれる工夫が凝らされている。これも長年のシェアハウス事業で蓄積された顧客目線の理念とノウハウの賜物で、稼働率は一般のホテルを大きく上回る好調ぶりだ。ハードとソフトの相乗効果で、業容はますます拡大していく見込みだ。
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