「wena wrist」開発者、對馬哲平・wena事業室統括課長は、SAPに応募した時は入社1年目の新入社員。ここからいかにして事業化へのプロセスをたどったのか。
もともとウエアラブル端末が大好きで、ソニーだったらつくることができるのではないかと思いソニーモバイルに入社しました。「wena」の原型は新人研修時代につくり、特許も取得しています。でも事業化の方法が分からない。ちょうど入社の年にSAPが始まりましたが、投資対象になるかどうかが応募の条件。そこで昼休みになると、先輩社員にプレゼンを行い、意見を求めました。すると、「販路はどうする」「物流は?」ということを聞かれる。それに対する答えを用意して、次の日はまた別の人にプレゼンする。だいたい100人ぐらいの人に意見をうかがいましたが、誰一人いやな顔はしませんでした。
SAPに応募したのは2014年9月。オーディションは12月に行われ、120組の中から、「wena」を含め3組が合格しました。
事業化に向けた業務開始は15年3月でしたが、それまでの間にチームをつくらなければいけません。オーディションに出す段階で、同期3人に手伝ってもらっていましたが、それだけでは機能しません。そこでヘッドハンティングで先輩を口説き、先輩の上司にOKをもらってチーム発足にこぎつけました。
クラウドファンディングによる資金調達は今年3月。目標は1千万円でしたが、実際には約2千人の方から1億円が集まりました。これはクラウンドファンディングで集めた新記録だそうです。この方々に発売前に「wena」をお渡しし、返ってきた意見を基に、アプリの使い勝手などを修正しています。
販路は、電気店ではなく腕時計屋で売りたいという気持ちがあったので、丸井さんに売ってもらうなど通常のソニー商品とは違うアプローチをしています。6月30日に発売を開始しましたが、初年度としては相当いいところにいっています。(談)
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