経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

働き方の「見える化」と自主性な創意工夫で個人の生産性向上を図る―タカミヤ

2019人材育成企業21

(『経済界』2019年11月号より転載) 

髙宮一雅氏

タカミヤ会長兼社長 髙宮一雅(たかみや・かずまさ)

建設工事用の足場をはじめ各種仮設機材の開発・製造・販売・レンタルを行うタカミヤ。創業50周年の節目を迎えた老舗でありながら、従来の常識を覆すような「次世代足場」を投入するなど、時代の変化に対応した改革で業界をリードしている。

 タカミヤは今年4月から次世代足場「Iqシステム」の新CM『踊ってみた篇』の放映を開始、建設業界で話題となった。工事現場の作業員に扮したダンサーが踊る映像であるが、実はこれ、かなり画期的な商品のPRだ。従来の足場の階高は基準で170cmと決められていたが、Iqシステムは190cmにした。

「階高を20cm高くしただけで作業員の安全性と快適性が高まります。これは労働環境の改善だけでなく、当社にとっては足場の輸送、管理や施工性を向上させることができるので、経営効率が上がります。初期投資はかかりましたが中長期的にみれば絶対に成功する確信がありました」と語るのは髙宮一雅社長。

業界の常識にとらわれず常に変革を意識している髙宮社長が今、最も関心を持つのが次世代を担う人材の育成だ。

「ダイバーシティで年齢・性別・国籍に関係なくいろいろな人が働きやすい環境をつくり、同時に人材を育てるシステムや仕組みを整えること、そして一人当たりの生産性を向上させることが重要です」

生産性向上は一朝一夕にはできるものではないが「結論から言えば自主性を引き出すしかないですね。自主性は自分の仕事を数値で『見える化』することから始まります」

同社では社内の大型スクリーンで部門、支社別の残業時間、有給消化率などのデータを表示している。社内だけでなく業界平均などと比べることもできるので、自分の働き方の姿が客観的に見られる仕掛けだ。

「残業の多い部門は人が足りないから無理と言いますが、一人当たりの生産性が低いことが多い。必要なら人を増やしますが、生産性が落ちることは許されないのでITやAIを導入したり、あとは自分たちで自主的に工夫するよう話しています」

会社にとって最も大事なのは社員ですと言い切る髙宮社長。その根底には「自分の会社で働くことに満足していない人が、お客さまのために頑張れますか」という想いがある。

「若い人たちにどういう夢や希望を与えられるのかが重要です。将来優秀な技術者になりたいと熱意を持つ人なら大歓迎です」とメッセージを送る。

会社概要
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設立 1969年6月
資本金 7億3,213万円
売上高 421億8,200万円
所在地 大阪市北区
従業員数 1,258人(連結)
事業内容 仮設機材の開発、製造、販売、レンタル。
仮設工事の計画、設計、施工など
https://www.takamiya.co/
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