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iPhoneを有能なゲームデバイスに変えるコントローラー‐Backbone

創業者のManeet Khaira氏

Apple、Google、Microsoft、Epic Gamesが展開する、iPhoneでプレイできるコンテンツに対し、ゲームを最大限に活用するより優れた製品を提供する企業の激しい競争が行われている。RazerがiOS用のコントローラーで行ったように、他の企業が独自のスナップオンコントローラーを開発している。その中でも、現在DJのmarshmelloなど、多くのセレブから注目を集めているのが、米国企業Backboneが開発する、1つ100ドルからのBackbone Oneと呼ばれるコントローラーである。記事作成=hackjpn

iPhoneの新旧を問わず皆がゲームを楽しめる

Backboneは、iPhone 6SからiPhone 12のラインナップを含む、iOS 13以降を搭載したiPhoneに適合するゲーム用コントローラーを開発している。iPhoneを挟み、Lightning端子で接続後、専用のアプリを起動するとゲームコントローラーとして使用できる。充電用Lightingポート搭載により、充電しながらプレイすることも可能である。現在、Apple Arcadeにて配信されている100以上のさまざまなジャンルの多くのゲームに対応している。 

同社製品のBackbone One発売以降、Xbox Game Pass Ultimate加入者向けのGenshin Impactや、Google Stadiaでも動作が可能となっており、Steam Linkアプリ(PCをWi-Fi経由で接続)ゲームをプレイしても、かなり動きを自然に感じることができるという。

従来の一般的なコントローラーアクセサリーとは異なり、同社製品はハードウェアとソフトウェアを結合したハイブリッド型である。このコントローラーの両側には、手に自然にフィットする丸みを帯びたエッジがあり、Razer Kishiのデザイン賞を獲得。任天堂のSwitch Joy-Conとほぼ同じサイズだという。

コントローラー
出所:同社ウェブサイトより
https://playbackbone.com

コントローラーの常識を打ち破るほどの機能の多さ

Backboneのコントローラーには多くの機能が含まれている。まず、3.5mmヘッドフォンジャックを備えており、iPhoneにポートがなくても、オーディオを聴く方法を提供。消費電力に関しては、多くの有線Lightningイヤホンと比べ、iPhoneから少ない電力のみを要求し、ゲームプレイ中のバッテリー使用量も、他社製品に比べて少ないという。

また、アプリ内をスクロールすると、保存した写真や友人からの映像を見つけることができる。つまり、同社のコントローラーには、ゲーム内のスクリーンショットを撮ったり、ビデオクリップを録画するための専用ボタンがある。しかもそのためにボタンを長押しする必要もなく、ゲーム作業に影響を与えることがない。

ビデオクリップが保存されると、同社アプリまたはiMessageを介してトリミングして共有でき、HEVC / H.265コーデック(iPhone 7以降でサポート)で毎秒30フレームで1080pクリップを記録できるため、多くのストレージスペースを犠牲にすることなく、高品質のビデオを持つことが可能である。

同社コントローラーが提供するもう一つのソフトウェア機能は、アプリでパーティーや友人とのボイスチャットを作成する機能である。これらの当事者は、それぞれプレイしているゲームとは独立して動作し(ゲームをプレイする必要はない)、録音したりマイクをミュートすることもできる。

Backboneコントローラー
出所:同社ウェブサイトより
https://playbackbone.com

キャプチャボタンを押すと、ゲームプレイを即座に記録し、InstagramストーリーやiMessageなどのソーシャルメディアに投稿することができる。 スナップショット、ビデオ録画、ボイスチャットを提供するBackboneがiOSの手綱を握っており、Apple自体がゲーマーに提供するよりも興味深い体験を作り出している。他にも、同社アプリを持たなくとも、友人がいつログオンしたかなどを通知で伝える機能もある。

単なるコントローラーであるにもかかわらず、非常に高い機能性がある。ソフトウェアやチャットパーティーツールを使用する月額料金なしで、モバイルゲームがたくさんできると考えると、製品価格100ドルはあまりにも魅力的な価格であろう。

日本では、オンキヨーホームエンターテイメントが国内で販売しており、価格は12,980円(税込)。Appleの最新のLightningテクノロジーによる超低遅延で、画面とコントロールの時間差を感じさせない仕様となっている。 

創業者のManeet Khaira氏
創業者のManeet Khaira氏
出所:https://www.forbes.com/profile/maneet-khaira/?sh=4e4fffc566d9

外出先でのゲーミングのためのオールインワンハブに

同社は先日、The Weeknd、Diddy、俳優のKevin Hart氏といったビッグネームからの支援を受け、4,000万ドル(約46億円)のシリーズAラウンドをクローズした。

創業者のManeet Khaira(マニート・カイラ)氏は、2018年にYouTubeでインターンとして働いており、クラウドゲーミングがモバイル機器にもたらす可能性を示すデモを見た後、「ゲーミングは、今後10年間でGoogleにとって唯一最大の機会になる」という内容のプレゼンテーションを書いたという。何千人もの人々がその文書を見て、チームに直接プレゼンして欲しいと持ちかけてきたという。そこからBackboneの構築を始めた。

同社は外出先でのゲーミングのためのオールインワンハブになることを目指し、高度な機能の多くをオプションのプレミアムサブスクリプションサービスであるBackbone+に結び付けることで、より高品質なゲームプレイを提供している。このプラットフォームの初期導入者は無料で提供されるが、新規ユーザーの場合は年間約50ドル(約5,750円)となる。

ここまで豊富な遊び方を、iPhone 6Sから楽しめるコントローラー。近い将来、多くの人が外出時にiPhoneとセットで同社製品をカバンに入れる選択肢になり得るであろう。

Backbone
出所:hackjpn datavase.io