九州空調は業務用空調設備工事・保守会社。矢崎総業、川崎重工業、ダイキン、三菱、日立、パナソニックなど大手メーカーの特約店や認定店の指定、取引契約などを結び、保守先は200件以上に及ぶ。同社の強みは、機種・方式を問わず各メーカーの機械に対応できる高い技術力だ。(雑誌『経済界』2025年1月号「躍動する九州」特集より)
九州空調は業務用空調設備のメンテナンス会社として1966年に福岡で創業した。その後、設計・施工も手掛けるようになった。現在は佐賀、長崎でも事業を展開。大型ショッピングモール、学校、ホテル、病院、工場など、年間保守契約先は200件以上に及ぶ。
住本会長によると、特定メーカーの特約店が多い中、機種・方式を問わず各メーカーの機械に対応できる会社は、全国的にも少ないという。それを可能にしているのが、社員の技術と知識レベルの高さだ。
技術習得のため、社員はメーカーの技術講習会に参加。熟練者から直接学ぶ。また、資格取得にも体系的に取り組み、20以上の資格を持つ社員が複数在籍する。
「創業者である父から『一流は、現場と理論の両方を備えておかなければならない』と教わりました」と住本会長。先代の時から、講習会や資格試験の費用は100%会社が負担するなど、人材投資に積極的だ。
同社が今力を入れているのは、書類のDX化だ。保守点検後に提出する書類は数十種類にも及ぶ。以前は社員が現場から会社に戻り作業していた。そこにITを導入することで、現場で入力が可能となった。
「10年越しでようやく実現できました。業界からモデルケースとして期待されています。小さい会社でも軽やかに働けることを示したい」
職場環境の整備にも力を注ぐ。工事中の万一に備え、SOSが発信できるApple Watchを社員に支給。また社員の保険は、業務上のケガだけでなく病気保障、24時間保障など、年々内容を充実。このほか、フレックスタイム制の導入や病気・ボランティア休暇を設けるなどして、2023年には「ふくおか『働き方改革』推進企業」に認定された。
近年はSDGsにも取り組む。SDGs啓発カードゲームを地元小学校に寄贈。現在は地元大学と連携し、カードゲームを通して、小学生が楽しく街づくりとSDGsを学ぶイベントを11月に開催した。
「引き続き技術に磨きをかけていきながら、今後は商品開発にも挑戦したいと思います」と住本会長。人と地球に寄り添いながら、さらなる飛躍を目指す。
会社概要 設立 1966年9月 資本金 2,000万円 本社 福岡県福岡市東区 従業員数 17人 事業内容 業務用空調設備工事、保守 https://kyusyu-kuhchyo.com |