政治・経済

201709soumu

旧郵政省出身者に有望な人材がいない現状が総務省幹部人事に影響を与える

 7月11日付の総務省幹部人事は、旧自治省支配が強まり、テレコム・郵政分野を所管する旧郵政省の地盤沈下を象徴するものとなった。

 佐藤文俊氏に続いて旧自治省出身の安田充自治行政局長が事務次官に就いたのは既定路線としても、事務次官とは別の省出身者が就くことが不文律となっていた大臣官房長に今回は旧自治省出身の林崎理自治税務局長が就任し、省内に激震が走った。

 総合通信基盤局の旧郵政省出身幹部は「自治省優勢とはいえ、まがりなりにもたすき掛け人事を維持してきたが、これで自治省主導支配を霞が関に印象付けた」とため息まじりに解説する。その幹部は、旧自治省支配を許した理由について「(旧郵政省出身者に)存在感のある人材が見当たらない」ことだと言い切る。

 人材枯渇を象徴する人事の1つに、鈴木茂樹国際担当総務審議官が、通信・郵政担当総務審議官に“昇格”したことがある。同じ総務審議官とはいえ、総務省発足時に旧郵政省しかかかわりのない国際業務のために新設した国際担当総務審議官と違い、通信・郵政担当総務審議官は、保守本流の事務次官級ポストで、佐藤氏の前任の桜井俊元事務次官も総務審議官から昇格している。

 鈴木氏は、NTTに課している電話のユニバーサルサービスのコスト負担問題で通信会社に独断専行の料金徴収を決めて物議を醸した人物。決して評価されていない人物が実質的に旧郵政省のトップに就任したことが、人材が払底したテレコム分野の惨状を端的に表しているようだ。

 その下の幹部人事も混乱を極めている。4K、8K推進策など放送行政で高市早苗総務相の不興を買った南俊行情報流通行政局長は閑職の内閣府郵政民営化推進室長に飛ばされた。女性初の首相秘書官として注目された山田真貴子氏は総務省に復帰後、テレコム行政の筆頭局である情報通信国際戦略局長に就任。その後大臣官房長を務めていたが、なぜか南氏の後任に。もっとも、総務省としては首相秘書官を務めた山田氏の事務次官就任は既定路線となっており、裏を返せば、旧郵政省出身の事務次官は昭和59年組の山田氏まで待たなければならない。

 安田氏は昭和56年組。旧自治省支配はさらに強まることが必至だ。

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