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松戸から世界へ羽ばたくCG制作のエキスパート集団―ディッジ

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わが国が世界に誇る一大コンテンツであるテレビゲーム。大手ゲームメーカーが開発する錚々(そう そう)たる有名タイトルのキャラクターCG制作を手掛けるディッジは、地元の千葉県松戸市のコンテンツ産業育成に取り組みながら海外進出を目指している。

柳 明宏

ディッジ社長 柳 明宏(やなぎ・あきひろ)

「もともと、ゲーム業界とは縁のない仕事に携わっていたのですが、19年前たまたま書店でCG関係の本を見掛けた時に『これだ!』と思ってこの世界に飛び込みました」と語るのはディッジの柳明宏社長。当然ながら経験がまったくないため早速スクールに通うものの、水に合わずドロップアウトしてしまう。

しかし当時はCG制作へのニーズが高まっていた時期で、いざ営業をかけてみるとさしたる実績もないまま仕事を受注。実地で勉強をしながらフリーランスとして仕事をこなすうちに、徐々に仕事量が増えていった。会社を立ち上げてからも、ほとんどの社員が毎日徹夜をするという状態で実績を重ね、今や大手ゲームメーカーからの発注が引きも切らない状態であるという。

これだけクライアントから頼られる存在となった理由について柳社長は「業界で長く続けてきた実績と、クリエーティブな仕事ではあるもののクライアントの要望には極力柔軟に対応する、というところが喜ばれているのでは」と分析する。

そんな同社は、本社を構える千葉県松戸市という立地に大いにこだわり、コンテンツビジネスを通じた地域振興に取り組んでいる。柳社長自ら先頭に立って「松戸コンテンツ事業者連絡協議会」を設立。「コンテンツビジネスの中心地といえる秋葉原から約30分と立地に恵まれながら、都心より物価や家賃が安く暮らしやすい」というメリットをアピールし、人材採用面にも生かしている。

こうした動きを松戸市も全面的にバックアップし、地方創生の一環としてコンテンツ産業の振興を掲げている。市との共同プロジェクトであるスマホゲーム「ビットゲームメーカー」は着実にファンを増やしており、今年は海外版のリリースも予定している。

今後、より注力したいというのが人材育成だ。既に国内の専門学校などで留学生向けの講習を行っているが、ベトナムやミャンマーなどで同様の取り組みをスタートする。

「お金がなくて苦労している世界中の若者に学ぶ機会を与え、喜ぶ顔が見たいですね」という柳社長。松戸から世界へ、あくまで自然体で次なるステージを目指している。

会社概要

設立 2006年3月

資本金 1,500万円

所在地 千葉県松戸市

従業員数 112人

事業内容 ゲーム・アニメ・パチンコ・映画等のCG制作、WEBコンテンツの企画・制作・運営

http://www.dh3d.co.jp/

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