人材採用コンサルティング・資格学校を運営。介護・医療施設内で福祉関連講座を受講できる養成校を設立する業界初の斬新なビジネスモデル「学校機能構築プロジェクト」で新風を吹き込む。運営母体の日本総合福祉アカデミーは現在、全国で教室数を増加中だ。
2008年の設立当初は、一般企業向けの人材採用コンサルティング・教育研修事業を主力としてきた。
だが10年ごろ介護職員初任者研修が始まり、介護福祉士の国家資格を取得するには実務者研修の受講が必須になることなどを知り、この分野でこれまで培った経験とノウハウを生かせるのではないかと藤田達也社長は考えた。12年、資格学校事業に参入し、業界の常識を覆す「学校機能構築プロジェクト」を推進。現在、104拠点で教室を展開している。
「あえて都心ではなく、地方の病院や介護施設内に福祉関連資格講座を受講できる養成校をつくり、そこに勤める従業員、近隣の施設に勤める方、今後介護業界にチャレンジしたい方が気軽に授業に参加できるスキームを作りたかった。養成校を自社で運営・維持するためには、行政とのやりとり、人件費、備品、授業の設計等に膨大なコストを必要としますが、学校機能構築プロジェクトは低コストで地方に学びの場が設置できるサービスです」
今は駅前に資格学校を構えるというスタイルでは介護の労働環境もあり、需要に見合わなくなっている。同社の養成校は施設内で受講できるため、通いやすいという利点だけでなく、社内教育体制の確立、人材定着に寄与できる。
対外的には「学校を保有している」というブランディングが構築され、強力な採用ツールを武器としている施設も多い。導入している施設の経営者は低コスト、地域貢献、離職防止、採用競争力強化という視点から積極的に活用している。
また、計画的に加算を獲得できるといったメリットもある。同社は今後3年以内に300カ所の分校を設立し、全国に拠点を構える展開も視野に入れている。リアルな研修以外にも映像教育の強化、多言語機能による外国人技能実習生の教育インフラにも注力していくという。
「企業理念は『人財創出ではたらく人々の存在意義を想造する』を実現すること。今後高齢化が確実視される中国、インド、インドネシアなどにも最先端かつ最高水準の介護教育を輸出し、世界規模で広がる高齢化問題に一石を投じたい」と藤田社長。介護・医療業界に旋風を巻き起こす挑戦は続く。
会社概要
設立 2008年2月
資本金 2,000万円
所在地 東京都渋谷区
従業員数 40人
事業内容 日本総合福祉アカデミーの運営、学習プラットフォーム「Gケアネット」の開発・運営
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